ぎょしゃ座

ぎょしゃ座（馭者座、Auriga）について

ぎょしゃ座は、北天に広がる星座で、その名は「馭者」を意味します。古代ギリシャの天文学者トレミーによって、48の星座の一つとして分類されたこの星座は、特に明るい恒星を持つことからもその重要性が伺えます。最も有名な恒星、α星カペラは全天21の1等星の一つであり、多くの観測者の目を引きつけています。

主な天体

ぎょしゃ座では、カペラを中心に複数の恒星が存在します。カペラは非常に明るく、神話上のヤギアマルテイアに由来しています。この星の周りには、その子供とされる恒星もあることから、一つの物語を成しています。

• - β星（メンカリナン）: ぎょしゃ座での2番目に明るい恒星で、2等星です。
• - ε星（アル・マーズ）: 特徴的な連星であり、変光周期が27.1年と長く、特に2年間は明るさが変化します。
• - ζ星: 食変光星であり、970日の変光周期を持ち、主星Aには「Saclateni」という固有名が付けられています。
• - η星（ハエドゥス）、θ星（Mahasim）、ι星（Hassaleh）: これらもそれぞれ固有名があります。
• - HD45350: ルクセンブルクに関連した星で、主星にはLucilinburhucという名前がついています。

また、ぎょしゃ座には روشن星団や星雲も点在しており、特にM36、M37、M38といった散開星団が知られています。

歴史的背景

ぎょしゃ座は、もともと神話上で「馭者」と「山羊」は別々の存在でありましたが、後にトレミーによって一つの星座としてまとめられました。これにより、この星座に関連する神話も多様性を持っています。バビロニア時代には「Rukubi」として知られる戦車の姿があったとも言われています。

中国では、ぎょしゃ座の4つの星とおうし座β星を結んだ形を「五車」と呼び、日本でも類似の見解から「五角星」と名付けられました。

神話による解釈

ヘーパイストスとエリクトニオス

ギリシャ神話では、鍛冶神のヘーパイストスが女神アテーナーへの欲望から生まれたアテナイ王エリクトニオスが、馬を操る技術を学び、様々な試練を経て星座となった物語が有名です。ゼウスによって天に昇ったとされています。

ミュルティロスの伝説

また、ヘルメースの息子ミュルティロスに関する伝承があり、彼の巧みな調教によって王オイノマオスを敗北させた後、死を迎えた悲劇的な物語も存在します。彼はその後、空に昇り、ぎょしゃ座として星になったと伝えられています。

帰ってきたヒッポリュトス

さらに、テーセウスの息子ヒッポリュトスに関する伝承において、彼は継母の求愛を拒んだ結果、悲劇的な運命をたどりますが、その後の復活を経て再び星座となる物語もあります。これらの神話は、ぎょしゃ座を象徴的に示すさまざまな角度を形作っています。

結論

ぎょしゃ座は、その明るい恒星や歴史、多彩な神話を通じて、古代から現代に至るまで多くの人々に親しまれてきました。星の配置や物語を知ることで、夜空の星座が持つ魅力をより深く理解することができるでしょう。

もう一度検索