食変光星

食変光星について

食変光星（しょくへんこうせい）とは、2つの恒星が共通重心の周りを周回する際に互いの光を隠すことによって、その見かけの明るさが変化する天体のことを指します。これらの星は必ず連星系であり、地球から見るとこの変化が明瞭に観測されます。ただし、観測するためには、2つの星の軌道が地球から見える位置にある必要があります。また、食変光星はその名の通り、星の周りを回る食が起こるため、通常、自己の明るさは変わらず規則的に明るさが変化しますが、一部の例外として脈動変光星である場合もあります。

食変光星の分類

1981年までに発表された変光星のカタログによれば、登録された2万8435個の中で5022個、つまり約18%が食変光星に属しています。食変光星は、いくつかの尺度に基づいて内部でさらに分類されます。主な分類法には以下のようなものがあります。

光度曲線による分類

光度の変化を基に、以下の4つのタイプに分類されます：

1. アルゴル型 (EA) - 食以外の時の光度変化がほとんどなく、平常光度が鮮明に確立されている典型的な型です。このタイプでは星同士が比較的離れています。
2. こと座β型 (EB) - 光度が不均一で、アルゴル型とは異なり、星同士が近接しているために星の形が歪むような影響が見られます。このタイプでは、星からの反射光が影響を与えています。
3. EP型 - 惑星の影響によって光が遮られる場合です。ペガスス座V376星がその代表です。
4. おおぐま座W型 (EW) - 大きさがほぼ等しい星間の接触型で、共通の大気を持っています。光度変化が滑らかで、周期が短い特徴があります。

ロッシュ・ローブと相対的な大きさによる分類

この方法に基づき、時間帯によって3つのタイプに分かれます：

• - 分離型 (D) -両方の星がロッシュ・ローブの内側で離れているタイプ。前述のDM型やDS型など、より細かい分類も行われます。
• - 半分離型 (SD) - 片方の星がロッシュ・ローブの範囲に入り、もう片方は入らない状態です。
• - 接触型 (K) - 両方の星がロッシュ・ローブ内にあり、より厳密な分類も可能です。

連星系を構成する星の特徴による分類

このタイプでは、特異な星の組み合わせによる分類がなされます。例えば、成分星に巨星や白色矮星が含まれる型などがあります。

主な食変光星の例

幾つかの有名な食変光星を以下に示します：

• - アルゴル（ペルセウス座β星） - 約2.867日の周期で、明るさが2.12等から3.39等の範囲で変化します。
• - こと座β星 - 12.9075日の周期で、明るさが3.4等から4.6等まで変わります。
• - カシオペヤ座RZ星 - 1.195日の周期で6.18等から7.72等の変光を示し、この主星自体が脈動変光星でもあります。
• - ぎょしゃ座ε星 - 約27.1年の周期で、明るさが3.0等から3.8等に変わります。

このように、食変光星はその特異な光度変化から天文学において非常に興味深い対象となっています。

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