くにかぜIII

くにかぜIII - 国土地理院の航空測量機のご紹介

概要

航空測量用機として運用されているくにかぜIIIは、2009年に始動しました。国土地理院によって導入されたこの機体は、ビーチクラフトC90の後継機として、性能と用途を拡張するためにセスナ208が選ばれました。登録記号JA315Gを持ち、現在は共立航空撮影が運用管理を行い、調布飛行場を拠点としています。

くにかぜIIIは、航空機による空中写真撮影を目的とし、国土地理院の職員が搭乗して様々な地域の上空を飛行します。特に、災害発生時は迅速な対応が求められ、必要に応じて詳しく被災地の状況を撮影する重要な役割を果たします。

役割と機能

災害時の対応

地震やその他の災害に際して、くにかぜIIIは震度6弱以上の強い地震の被災地に対して、被害状況の詳細な撮影を行います。これにより、迅速な情報収集が可能となり、復旧支援活動を効果的に行うためのデータが提供されます。

平常時の運用

平時においても、くにかぜIIIは重要な役割を担っています。電子国土基本図の即時修正に必要なピンポイント撮影や、小規模地域のオルソ画像整備のための撮影を行っています。また、火山地域の監視活動や航空機によるSAR（合成開口レーダー）撮影を実施し、自然災害からの防災対策を強化しています。

調査研究

さらに、調査研究のための空中撮影も行っています。これにより、国の地図情報の整備や、環境変化の監視に資するデータが収集されます。また、災害時対応の訓練としての活用もされ、機体の運用技術の向上にも寄与しています。

機体の仕様

くにかぜIIIの仕様は以下の通りです。

• - 機種: セスナ208
• - エンジン: ターボプロップエンジン
• - 乗員: 最大11名
• - 全幅: 15.88 m
• - 全長: 12.67 m
• - 全高: 4.52 m
• - 自重: 1,861 kg
• - 巡航速度: 341 km/h
• - 航続距離: 1,797 km

これらの仕様により、くにかぜIIIは高い機動性と安定した飛行性能を実現しています。

結論

くにかぜIIIは、国土の測量や災害時の情報収集に欠かせない航空機です。その運用は専門のパイロットや職員によって支えられ、地図作成や災害対策の基盤として重要な役割を果たしています。最近の技術革新とともに、今後のさらなる活躍が期待される機体と言えるでしょう。

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