くまのプーさん (2011年の映画)

ディズニー長編アニメーション『くまのプーさん』(2011)：森の仲間たちと、はちみつと、そして友情の物語

2011年、ウォルト・ディズニー生誕110周年を記念して公開された『くまのプーさん』は、ディズニーアニメーションスタジオによる長編作品第51作目です。5年ぶりの2Dアニメーション作品という点でも注目を集め、6年ぶりとなるプーさんシリーズの長編映画として、世界中のファンを魅了しました。

本作の物語は、A・A・ミルンの原作から厳選された5つのエピソードを基に構成されています。『くまのプーさん 完全保存版』の製作にも携わったアニメーター、バーニー・マティンソンがストーリーを担当し、原作の世界観を忠実に再現しながらも、現代的な感性を取り入れた、新鮮で魅力的な作品に仕上がっています。

物語は、はちみつが底をついたプーさんの冒険から始まります。はちみつを探している途中で出会ったのは、いつも尻尾がなくなってしまうイーヨー。イーヨーの新しい尻尾を探して森の仲間たちが協力する中、プーさんの大切な友達、クリストファー・ロビンがいなくなってしまうという事態が発生します。賢いフクロウ、オウルによると、クリストファー・ロビンは恐ろしい怪物「スグモドル」に誘拐されたらしいのです。

プーさんと仲間たちは、クリストファー・ロビンを救うため、スグモドルを捕獲しようとしますが…　果たして、彼らはクリストファー・ロビンを見つけ出すことができるのでしょうか？そして、スグモドルの正体とは？

個性豊かなキャラクターたち

本作には、プーさんシリーズでおなじみのキャラクターたちが勢ぞろいしています。

プー： はちみつが大好きなくま。クリストファー・ロビンを心から愛する、本作の主人公です。
ピグレット： プーの親友である、臆病ながらも心優しい子ぶた。
ティガー： 元気でいたずら好きなトラ。いつも森を駆け回っています。
ラビット： 少し頑固なウサギ。畑でニンジンを育てています。
イーヨー： 悲観的なロバ。しょっちゅう尻尾を失くしてしまいます。
オウル： 知的なフクロウ。時々、話が空回りすることも…。
カンガ： 優しいカンガルーの母親。
ルー： カンガの息子。ティガーとよく一緒に遊んでいます。
クリストファー・ロビン： プーさんの人間の友達。本作では、少し成長した姿を見せています。
スグモドル： 本作のヴィランズ的存在として登場しますが、実はプーさんたちの勘違いから生まれた存在です。見た目とは裏腹に、陽気で気の良い性格をしています。エンドクレジット後には、スグモドルの実在が明らかになるという、サプライズも用意されています。

スタッフとキャスト

アニメーション制作には、ディズニーのベテランアニメーターたちが多数参加しました。プーさんとクリストファー・ロビンをマーク・ヘン、ティガーをアンドレアス・デジャ、イーヨーをランディ・ヘイコックといった、熟練のアニメーターたちが担当し、それぞれのキャラクターの魅力を最大限に引き出しています。

音楽はロバート・ロペスが担当し、主題歌「くまのプーさん」、挿入歌「とてもたいせつなこと」、エンドクレジット曲「ソー・ロング」をズーイー・デシャネルが歌い上げています。「ソー・ロング」は第54回グラミー賞最優秀映画・テレビ・映像メディア楽曲賞にノミネートされるなど、高い評価を得ています。日本語吹き替え版では、主題歌と挿入歌をYaeが担当しました。

日本語吹き替え版

日本語吹き替え版では、プーの3代目声優として長年プーを演じた亀山助清さんと、イーヨー役を長年務めた石田太郎さんが、それぞれのキャラクターを演じた最後の長編作品となりました。

興行成績

北米では公開初週末に785万7076ドルを記録し、日本では初日2日間で観客動員数6万6372人、興行収入8216万2900円を記録するなど、世界中で高い人気を博しました。全世界での興行収入は3315万2846ドルにのぼります。

『くまのプーさん』は、はちみつの甘い香り、森の穏やかな雰囲気、そして何よりも大切な友情を描いた、心温まる作品です。プーさんと仲間たちの冒険を通して、友情や勇気、そして大切なものの価値を改めて感じさせてくれる、忘れられない映画体験となることでしょう。

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