くれなゐ (渡辺淳一)

渡辺淳一原作「くれなゐ」：小説と2つのドラマ化

1975年から1976年にかけて、北海道新聞、中日新聞、東京新聞、西日本新聞の4紙で連載された渡辺淳一氏による小説『くれなゐ』。子宮を失った女性、冬子の苦悩と葛藤、そして複雑な愛の物語は多くの読者の共感を呼びました。女性の生き方、不倫の恋の行方といった普遍的なテーマが丁寧に描かれており、高い評価を得た作品です。

この小説は、1984年と1998年の2度に渡り、テレビドラマとして映像化されました。それぞれ異なるキャスト、スタッフによって制作されたドラマは、小説の持つ魅力をそれぞれの視点で表現しています。

毎日放送版 (1984年)

1984年1月6日から4月6日まで、TBS系列で放送された毎日放送制作のドラマ版。月曜から金曜の昼間に放送され、中島ゆたか、天田俊明、北詰友樹といった俳優陣が出演しました。詳細な内容は資料が限られており、残念ながらあらすじや各エピソードの内容については、現時点では情報が不足しています。

スタッフ

脚本：綾部伴子
演出：伊東雄三
音楽：中川昌

読売テレビ版 (1998年)

1998年4月13日から6月22日まで、日本テレビ系列で放送された読売テレビ制作のドラマ版。川島なお美、内藤剛志、酒井美紀ら豪華俳優陣が出演し、プライムタイムに放送されたことで大きな話題を集めました。

主人公・冬子役を演じた川島なお美さんは、帽子デザイナーという役柄を演じ、劇中で彼女がデザインした帽子が、小柳ルミ子演じる祐一郎の妻・尚子によって嫉妬から破壊されるシーンがあります。興味深いことに、この帽子は、内藤剛志さんの実生活における妻（帽子デザイナー）がデザインしたものでした。内藤剛志さんはこの撮影について、「芝居とはいえ、複雑な心境です」と語っていたと伝えられています。

出演者

木之内冬子：川島なお美
貴志祐一郎：内藤剛志
貴志かおり：酒井美紀
船津海介：沢村一樹
木之内智彦：宮下直紀
木田英利：村田雄浩
里村真紀：田村英里子
貴志悟：塚本高史
田口浩正
紅萬子
中島宏海
久本雅美
原田大二郎
升毅
中山麻子：余貴美子
中山士朗：みのもんた
貴志尚子：小柳ルミ子

スタッフ

演出：小田切正明、田中大輔
チーフプロデューサー：岡本俊次
プロデューサー：大森美孝
原作：渡辺淳一
脚本：那須真知子
音楽：岩間南平
制作協力：日本テレビエンタープライズ
制作著作：よみうりテレビ

音楽

主題歌：sarah「くれない」
エンディング：川島なお美「薔薇の花みだら」

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小説『くれなゐ』のドラマ化を記念して、1999年にはVHSビデオが発売されました。

くれなゐ Vol.1～Vol.4（バップ） 1999年4月5日発売

まとめ

小説『くれなゐ』は、時代を超えて読まれ続ける名作であり、2度のドラマ化によって、より多くの人にその魅力が伝えられました。それぞれのドラマ版は、小説の世界観を独自の解釈で表現しており、比較して視聴するのも興味深いでしょう。小説を読んだ後、ドラマを見ることで、新たな発見や感動が得られるかもしれません。また、読売テレビ版で起きた、実生活とドラマが交差するエピソードは、作品への関心をさらに深めるものとなっています。

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