けんか空手 極真拳

けんか空手 極真拳

『けんか空手 極真拳』（けんかからて きょくしんけん）は、1975年に公開された日本の映画で、主演には千葉真一が起用されています。本作は、山口和彦が監督を務め、東映が制作したカラー・シネマスコープ形式の作品です。88分という短い時間の中で、空手家・大山倍達の生涯の一部を描いています。

概要

本作は、「空手バカ一代」という劇画の一部を元にしています。大山倍達の苦難に満ちた人生をテーマにしており、実際の空手家からも「千葉真一の空手は真実である」という評価を受けています。千葉は大山の愛弟子としてストーリーの中心に位置づけられており、その過程で空手の厳しさや意義が深く掘り下げられています。大山の妻役には多岐川裕美が、弟子役には千葉治郎がキャスティングされ、敵役には成田三樹夫や石橋雅史が出演しています。特に石橋は実際に大山道場で師範代として指導を受けており、千葉の先輩にあたります。

ストーリー

物語は、戦後初の全日本空手道選手権大会から始まります。大山倍達はこの大会に飛び入り参加し、その圧倒的な強さを示して日本一の栄冠を手にします。しかし、空手界の保守派からは「寸止めではなく、直接打撃制」を提唱する彼を危険視され、孤立してしまいます。そんな中で彼は妻と出会い、弟子を持つことになります。

さらに、大山は村で暴走する牛に立ち向かい、見事に倒すことに成功します。この出来事は彼が世間に認知されるきっかけとなりますが、その半面、弟子の行動が原因で破門される事態も発生します。正当防衛とはいえ、彼は命を奪ってしまう事件に巻き込まれるなど、様々な試練に直面します。これらの障害を乗り越えつつ、大山は自身の信じる空手道の完成を目指し、懸命に修行を重ねていきます。

キャスト

• - 千葉真一 - 大山倍達
• - 多岐川裕美 - 大山の妻・藤巻智八子
• - 千葉治郎 - 大山の一番弟子・有明省吾
• - 成田三樹夫、石橋雅史 - 敵役
• - その他 - 郷田勇三、添野義二、佐藤勝昭、他多数

製作エピソード

本作の撮影にあたっては、特に牛を使用したシーンで様々なリスクがありました。牛が落ち着かず、麻酔に関する業者との調整が必要だったため、撮影は非常に難航しました。また、ストーリーに関しては、山口和彦監督が当初求めていたイメージに合う女優を見つけることに苦労し、最終的にキャスティングを見直す必要がありました。

音楽

本作の主題歌として、渥美健の「空手道（みち）」が使用されており、作詞は梶原一騎、作曲は遠藤実です。また、挿入歌には「男ひとすじ」もあり、こちらも渥美健が歌い上げています。製作された音楽は、物語の感情をさらに引き立てる重要な要素となっています。

まとめ

『けんか空手 極真拳』は、空手家としての大山倍達の成長だけでなく、彼が直面した数々の試練とそこからの教訓を描いた作品です。空手の技術や精神、仲間との絆が織り成すドラマは、観る者に深い感動を与えます。

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