こだまは呼んでいる

『こだまは呼んでいる』は、1959年1月22日に公開された東宝製作の映画です。本多猪四郎が監督を務め、山間を走るバスの運転手と車掌の恋愛模様を、美しいモノクロ映像と東宝スコープで描き出しました。

あらすじ

物語の舞台は、自然豊かな山間。バスの運転手である鍋山精造と、明るく元気な車掌の三好タマ子は、日々の業務を通して互いに惹かれあっていました。しかし、二人の恋路は決して平坦ではありません。山道の険しさや、それぞれの過去、そして周囲の人々の思惑が複雑に絡み合い、二人の関係に様々な困難をもたらします。

映画の見どころの一つは、バスが山道を駆け抜けるスリリングな走行シーンです。実物大のバス模型とスクリーン・プロセスを組み合わせることで、臨場感あふれる映像を実現しています。当時の技術を駆使した迫力ある映像は、観る者を物語の世界へと引き込みます。

キャスト

鍋山精造：池部良
三好タマ子：雪村いづみ
平沢健一：藤木悠
平沢孝子：沢村貞子
諸田運転手：内海突破
瀬戸信江：小柳久子

その他、由利徹、南利明、左卜全など、個性豊かな俳優たちが脇を固め、物語に深みを与えています。

スタッフ

製作：市川久夫
脚本：棚田吾郎
音楽：斎藤一郎
撮影：芦田勇
* 監督：本多猪四郎

作品の魅力

『こだまは呼んでいる』は、単なる恋愛映画としてだけでなく、当時の社会や人々の生活を描いた作品としても高く評価されています。山間部のバス運転手という仕事を通して、人間の温かさや厳しさ、そして希望を描き出しています。本多猪四郎監督ならではの演出と、池部良、雪村いづみを始めとする俳優陣の熱演が、観る者の心を捉えて離しません。

この映画は、昭和の懐かしい風景の中で繰り広げられる、心温まる人間ドラマです。ぜひ一度、鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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