こちら葛飾区亀有公園前派出所の登場人物

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は、秋本治によって長年描かれた人気漫画作品です。その歴史の中で、非常に多くの個性的なキャラクターたちが生み出されました。この項目では、特に物語の展開に大きく関わる人物たちを中心に解説します。

亀有公園前派出所の面々

物語の中心となるのが、葛飾区にある亀有公園前派出所です。ここでは、比較的に登場頻度が高い主要人物が勤務しています。

両津勘吉（りょうつ かんきち）
階級は巡査長。本作の主人公です。角刈りに繋がった眉毛、大きな目が特徴。常人離れした体力と生命力を持ち、手先が器用で多くの資格・免許を所持しています。いたずらや金儲けが大好きでトラブルを巻き起こす一方、人情に厚く困った人を見過ごせない性格で、下町の人々からの人望も厚く、幅広い人脈を持っています。自身の失敗をごまかそうとして状況を悪化させる悪癖もあります。プロレーサーをも凌ぐ運転技術の持ち主。
中川圭一（なかがわ けいいち）
階級は巡査。世界的な大企業「中川コンツェルン」の御曹司。美形で長身、多才な能力を持つ落ち着いた人物ですが、感情が高ぶると言動が荒くなることがあります。特に射撃と逮捕術、運転技術に優れています。両津の後輩ですが、初期と後期で人柄の描写に変化が見られます。両津の義理の弟とも親戚関係になり、彼の金銭欲に呆れつつも人情家な一面を慕っています。
秋本・カトリーヌ・麗子（あきもと・カトリーヌ・れいこ）
階級は巡査。ヒロイン的存在で、神戸の貿易会社社長令嬢。フランス人の母を持つハーフです。スタイル抜群の美女でありながら、男勝りの強さと多彩な才能（料理、ピアノ、射撃など）を持ちます。両津の破天荒な行動には呆れることが多いですが、彼の人情深さを理解し、「両ちゃん」と対等な口調で話します。
大原大次郎（おおはら だいじろう）
階級は巡査部長。派出所の班長で、両津の直属の上司です。自分にも他人にも厳しい生真面目な性格で、両津にとって最も苦手な相手。柔道と剣道の有段者です。両津の問題行動を厳しく叱責しますが、部下思いで責任感が強く、住民からも尊敬されています。流行に疎く、両津に教わった最新技術で痛い目に遭うことも。
寺井洋一（てらい よういち） → 丸井ヤング館（まるい ヤングかん）
階級は巡査。派出所メンバーの中では最も平凡で大人しい性格。原作では途中で「丸井ヤング館」に改名しましたが、アニメ版では一貫して「寺井洋一」として登場し、主要キャラクターの一人として活躍の機会が多いです。
戸塚金次（とつか きんじ）
階級は巡査。坊主頭に顔の傷、背中の入れ墨といった強面ですが、義侠心のある人物。元トラック運転手で、運転技術に優れます。連載初期は両津の相棒として活躍しましたが、麗子の登場以降、出番が減少しました。両津とは異なり、ギャンブルを嗜むものの金儲けには走りません。アニメ版での登場は非常に少ないです。

新葛飾署・交通課など

派出所を管轄する新葛飾署にも、個性的な警官が多数所属しています。

日暮熟睡男（ひぐらし ねるお）
階級は巡査。葛飾警察署超能力課所属。4年に一度のオリンピック開催期間にしか起きない特殊な警官。様々な超能力で難事件を解決するため、免職されずにいられます。目覚めたばかりは超能力が不安定です。
麻里愛（あさと あい）
元キックボクサーの男性（ニューハーフ、後に原作では女性化）で、両津以上の身体能力を持つ美女。コーチに似た両津に一目惚れし、婦警となりました。
屯田五目須（とんだ ごめす）
階級は警視正。新葛飾署の署長。改名経験あり。子供や孫に甘く、基本的には気弱ですが、大原と暴走したり、婦警に振り回されたりもします。両津の問題行動に手を焼く一方、彼の能力は評価しています。
本田速人（ほんだ はやと）
交機隊所属。普段は気弱で臆病ですが、バイクのハンドルを握ると性格が豹変し、元不良総長の荒々しい言動と驚異的な運転技術を見せます。両津を「先輩」と慕い、よく事件に巻き込まれます。
ボルボ西郷（ボルボ さいごう）
新葛飾署警官。元FBI、傭兵、グリーンベレーといった経歴を持ち、常に武装していますが、実際はかなり臆病で女性が苦手です。サバイバルゲーム好き。両津や左近寺と「葛飾署3バカトリオ」と呼ばれることも。
左近寺竜之介（さこんじ たつのすけ）
新葛飾署警官。あらゆる格闘技に長けた体育会系ですが、ギャルゲーにハマり、特に「どきどきメモリアル」のヒロイン沙織の熱狂的なファンです。体型に合う制服がなく、普段は私服勤務。
擬宝珠纏（ぎぼし まとい）
交通課婦警。勝気な性格で、両津とは度々張り合いますが、後に又従兄弟と判明し、結婚騒動も起こりました。実家は老舗寿司屋「超神田寿司」です。
磯鷲早矢（いそわし はや）
交通課婦警。京都の名門武道家出身で、弓道は全国レベル。大和撫子的な美貌と、武芸に長けた強さを持ちます。両津に惹かれますが、恋愛感情は複雑です。流行に疎い一方、霊感が強い一面も。
乙姫菜々（おとひめ なな）
交通課白バイ隊員。容姿端麗で童顔、アニメ声。本田の後輩で交際相手です。また、「愛野神女」のペンネームを持つ人気の少女漫画家でもあります。見た目からは想像できないほどの大食い。

その他

絵崎コロ助（えざき コロすけ）
中川の恩師で、世界的な科学者・発明家。数々の珍発明で両津を実験台にしますが、奇妙なこだわりを持つ変人です。大学教授で娘たちが海外に留学しています。
白鳥麗次（しらとり れいじ）
秋本貿易の下請け会社御曹司。麗子に夢中で付きまといますが、傲慢でナルシストな性格で、庶民を見下す言動で周囲を苛立たせます。金持ち自慢が大好きですが、貧乏に転落するパターンが多いです。
尾崎網彦（おざき あみひこ）
亀有商店街で模型店を経営する男性。商店街メンバーのリーダー格として、両津のツケを回収するために様々な手段を講じますが、返済されないことがしばしば名物化しています。

これらのキャラクターたちが織りなす日常や騒動が、『こち亀』という作品の唯一無二の世界観を作り上げています。

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