こち亀ゲームぱ〜く

「こち亀ゲームぱ〜く」は、秋本治氏による国民的漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』をテーマにした体験型アミューズメント施設です。物語の舞台である東京都葛飾区亀有にあり、大型商業施設であるアリオ亀有内に2006年3月3日にオープンしました。

施設内は、作品の世界観を忠実に再現した装飾で満たされています。来場者を迎えるのは、主人公の両津勘吉をはじめ、中川圭一、秋本カトリーヌ・麗子、大原部長といったお馴染みのキャラクターたちの等身大フィギュアです。さらに、海パン刑事や白バイ姿の本田速人といった個性的な面々の像も設置されており、ファンにとってはたまらないフォトスポットとなっています。施設のハイライトの一つは、作中に登場する亀有公園前派出所を実物大で再現したエリアです。派出所内部には、作品の貴重なセル画や作者のサイン色紙などが展示されており、漫画の制作過程や歴史の一端に触れることができます。また、両津が作成した設定の「始末書」もユーモラスに展示されています。

キャラクターグリーティングも行われています。かつては土日両日に行われていましたが、新型コロナウイルス感染症対策のために一時中止となりました。しかし、2024年6月上旬には待望の復活を果たし、現在は毎週日曜日に両津が登場します。加えて、毎月第3日曜日には両津に加えて中川も登場し、キャラクターとの触れ合いを楽しむことができます。

施設のスタッフが着用する制服も、作品の世界観を演出する要素の一つです。警察官の制服をイメージしたオリジナルのデザインで、訪れる人々を物語の世界へとさらに引き込みます。

「こち亀」に関する様々な関連アイテムの展示も見どころです。ガラスケースの中には、漫画単行本の全巻セットをはじめ、関連書籍やグッズが多数陳列されています。また、派出所エリア内だけでなく、作中に登場する「カメアリ書店」や「小川駄菓子店」を模した展示コーナーもあり、ここでも単行本全巻などの関連書籍を目にすることができます。

壁面には、作品にまつわるユニークな展示品が多数飾られています。例えば、御堂春や擬宝珠檸檬といったキャラクターの制服が展示されています。その隣には、漫画原作者である秋本治氏がこの施設のために書き下ろしたという設定の名刺が飾られており、ファンサービス精神にあふれています。

視覚的な工夫も凝らされています。作中に登場する勝鬨橋やお化け煙突を描いた絵が飾られており、これらの絵にはレンチキュラー印刷が用いられています。これにより、見る角度を変えることで橋の開閉や煙突の見え方の変化といった視覚的なトリックを楽しむことができます。その他にも、派出所の壁には、擬宝珠檸檬が描いた両津の絵や、「両津の今月の事故」として、麗子のビンタや部長の雷（カミナリ）を受けた回数をカウントする掲示板など、作品ならではのユーモアあふれる展示が見られます。

ゲームコーナーでは、「こち亀」を題材にしたオリジナルのゲームが楽しめます。特に注目は、モグラ叩きゲームの「両さんのボーナス争奪戦」です。これは、単行本第43巻などで描かれた、両津のボーナスを商店街の面々が狙うというエピソードを基にしており、顔を出す両津を叩いて「回収額」を競うという設定です。ゲーム中の両津のボイスは、アニメ版で声優を務めたラサール石井氏による新規収録ボイスが使用されており、臨場感を高めています。他にも、こち亀ゲームぱ〜く限定のオリジナル景品が手に入るクレーンゲームや、ミニパトカーを模したデザインのお菓子取りゲームも設置されています。さらに、フェラーリ512BBやポルシェカレラGTなどの高級車をモチーフにしたライド系遊戯台もあり、幅広い年代の来場者が楽しめるラインナップとなっています。

「こち亀ゲームぱ〜く」は、単なるゲームセンターではなく、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の世界観を五感で体験できる、ファンにとって特別な場所です。展示物やゲームを通じて、作品の魅力に触れることができます。

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