この涙 星になれ

ZARD 31st Single「この涙 星になれ」

ZARDの31枚目のシングルとしてリリースされた「この涙 星になれ」は、彼女たちにとって初のマキシシングルとなりました。このシングルは、表題曲とカップリング曲の両方にタイアップがつくという、当時としては珍しい形でのリリースとなりました。

背景

「息もできない」以来となる、カップリング曲のカラオケが収録されたことも、このシングルの特徴です。表題曲の「この涙 星になれ」は、テレビ朝日系木曜ミステリー『科捜研の女』の主題歌に起用され、ドラマのミステリアスな雰囲気を盛り上げました。一方、カップリング曲の「お・も・ひ・で」は、「チェンジ伊豆2000」のイメージソングとして使用され、キャンペーンの応募プレゼント用として、この曲のみを収録したシングル盤も制作されました。さらに、この楽曲は後にテレビ朝日系『贅沢な休日』のテーマ曲としても使用され、幅広い層に親しまれました。

シングルとしては「風が通り抜ける街へ」以来、久々に表題曲とカップリング曲の両方がオリジナルアルバムに収録されたことも、ファンにとっては嬉しいポイントでした。しかし、「痛いくらい君があふれているよ」と同様に、ベストアルバムやセレクションアルバムには収録されておらず、オリジナルアルバムでのみ聴くことができるという、特別な存在となっています。

制作

この涙 星になれ

コーラスには、伊藤匠、高原由妃、春名俊希（蒼遥和・咲井一希）が参加し、楽曲に深みを与えています。坂井泉水はこの曲の歌詞の中で、「少しの笑顔でよかったのに…いつからか気軽に 君と話せなくなってた」というフレーズを特に気に入っていたとされています。

アルバム『時間の翼』に収録される際、歌詞の表記が一部変更されました。発売直前には、「寂しいと人は意地悪になる」という部分が「少しの笑顔でよかったのに」に変更され、キーも調整されました。しかし、CMでは録り直し前のものがそのまま放送されるという、珍しいケースも見られました。

お・も・ひ・で

「お・も・ひ・で」の作曲は、「愛は暗闇の中で」の編曲を手がけた寺尾広氏が担当しており、8年ぶりの作品提供となりました。2012年にリリースされた『ZARD Album Collection 〜20TH ANNIVERSARY〜』には、葉山たけし氏によるリアレンジバージョンが収録されています。コーラスには、大野愛果、大田紳一郎、高原由妃が参加し、楽曲に彩りを添えています。

この曲の歌詞は、「ふるさとは遠くにありて思ふもの」という諺を現代的に表現したもので、タイアップの関係から、歌詞には大室山が登場します。故郷を思う気持ちを、美しいメロディーに乗せて歌い上げています。

記録

初週の売上は8.1万枚を記録し、1999年の「MIND GAMES」の売上を上回りました。この記録は、ZARDの人気の高さを改めて証明するものでした。

収録曲

1. この涙 星になれ
作詞：坂井泉水、作曲：岩井勇一郎、編曲：古井弘人
2. お・も・ひ・で
作詞：坂井泉水、作曲：寺尾広、編曲：古井弘人・徳永暁人
3. この涙 星になれ（オリジナルカラオケ）
コーラスあり
4. お・も・ひ・で（オリジナルカラオケ）
コーラスあり
5. この涙 星になれ remix
シークレットトラック扱い

収録アルバム

時間の翼（#1,2）
ZARD Single Collection 〜20TH ANNIVERSARY〜（#1,2）

脚注

注釈

出典

関連項目

1999年の音楽

このシングルは、ZARDの音楽性や魅力を改めて感じさせてくれる作品と言えるでしょう。表題曲とカップリング曲の両方が、多くの人に愛される名曲として、今もなお多くのファンに聴き続けられています。

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