ささやき声

ささやき声（囁き声）とは

ささやき声とは、声帯を振動させずに発声する声のことです。国際音声学会が定める声質のひとつで、日本語では「声をひそめる」とも表現されます。

ささやき声の特徴

音量が小さい: 一般的な会話に比べて音量が小さく、静かな場所での会話に適しています。
不明瞭: 通常の発声に比べて不明瞭で聞き取りにくい場合があります。
周波数特性: 主要フォルマントの割合が低く、高周波数帯の割合が高いという特徴があります。

ささやき声が使われる場面

図書館など静寂が求められる場所
近くにいる人に聞かれたくない秘密の話
映画や演劇などの演出

ささやき声の周波数スペクトル

ささやき声の周波数スペクトルは、通常の発声とは異なり、以下の特徴があります。

微細構造がほぼ見られない
低周波数パワーの減少
低次フォルマントの高周波数シフト
スペクトル傾斜

これらの特徴により、ささやき声は通常の発声とは異なる音色として認識されます。

ささやき声の発声メカニズム

ささやき声は、声帯声門が閉じつつも、軟骨声門の部分が開いて息が漏れることによって生じます。声門が不完全に閉鎖された状態と捉えることもできます。このとき、声帯は振動しません。

舌や唇などの調音器官の位置や動きは、通常の発声とほとんど変わりません。気流が声門を通過する直後に乱流が発生したり、声道壁に衝突して乱流が発生することによって、ささやき声特有の声質が形成されます。

ささやき声の表記

国際音声記号には、ささやき声を特別に記述する記号はありません。無声音化しているので、無声化の補助記号 [  ̥ ] をつけて [ ḁ ] , [ d̥ ] のように記述されることがあります。

ささやき声と病気

痙攣性[[発声障害]]の一種である外転筋型では、声帯の筋肉が別々に収縮してしまうことによって、ささやき声しか発声できないケースがあります。

ささやき声の種類

通常のささやき声: 声帯をほとんど振動させずに発声する。
息漏れ声（Breathy voice）: わずかに声帯振動を伴うささやき声。ウィスパーボイスとも呼ばれる。

まとめ

ささやき声は、音量を抑えたい場面で用いられる特殊な発声方法です。その特徴的な音色は、周波数特性や発声メカニズムによって生み出されます。日常会話だけでなく、音楽や演劇など、幅広い分野で活用されています。

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