西肥自動車

西肥自動車株式会社：長崎と佐賀を結ぶ路線バス事業者

西肥自動車株式会社は、長崎県佐世保市に本社を置く路線バス事業者です。長崎県北部と佐賀県北西部を主な営業エリアとし、地域住民の生活を支える重要な役割を担っています。愛称は「西肥バス」。この名称は、同社の営業エリアがかつて肥前国の西部に位置していたことに由来しています。

歴史と沿革

西肥自動車の歴史は古く、1920年（大正9年）2月10日、長崎県北松浦郡江迎町（現佐世保市）に設立されました。創業者の中村京太郎氏を中心とした北松地域の資本によって設立され、当初は6台の車両で佐世保市周辺を運行していました。その後、事業拡大や合併、他社との共同運行などを経て、現在の規模に成長しました。

設立当初から現在に至るまで、数々の歴史的出来事を経てきました。戦時統合や佐世保大空襲による被害、バスジャック事件の発生など、試練を乗り越えながら、地域社会に貢献し続けています。

昭和38年には、国道204号で発生したバス事故による犠牲者を悼み、安全運行への意識を高めてきました。昭和40年には、ワンマンバスを導入し、運行効率の向上を図りました。平成13年には、嬉野営業所を廃止し東部営業所に統合。平成20年には、親和銀行（現：十八[[親和銀行]]）などとの合意の下、経営再建を図りました。令和2年には、長崎スマートカードからnagasaki nimocaへの移行を完了させ、利便性の向上に努めています。

路線と運行エリア

西肥バスは、長崎県佐世保市を中心とした北部地域、佐賀県伊万里市などの北西部地域で、多数の路線を運行しています。市街地と郊外、そして周辺の市町村を結ぶ路線が中心で、地域住民の生活に密着した運行を行っています。

また、五島列島の上五島（中通島・若松島）にも路線網を展開しており、これらの路線ではnagasaki nimocaやSUNQパスも利用できます。

高速バス

西肥バスは、高速バス路線も運行しています。主な路線は佐世保 - 福岡線（西鉄バスとの共同運行）、佐世保 - 長崎線（長崎県交通局との共同運行）です。過去には、佐世保 - 佐賀線、佐世保 - 北九州線など、より広範囲を結ぶ路線もありましたが、現在では一部路線が廃止されています。

営業所

西肥バスは、本社と複数の営業所を配置することで効率的な運行体制を構築しています。本社は佐世保市白南風町にあり、北部営業所、東部営業所、平戸営業所、新上五島営業所、長崎営業所、伊万里営業所などが設置されています。各営業所は、それぞれ管轄する地域や路線を担当しています。

車両

西肥バスでは、さまざまなメーカーの車両を導入し、運行しています。近年はノンステップバスの導入が進み、高齢者や障がい者を含むすべての人が快適に利用できる環境整備に力を入れています。

車両には、メーカーを示すアルファベット1文字と3桁の数字からなる独自の車番が付けられており、独自の管理体制が敷かれています。また、塗装についても、一般路線車、貸切車、高速バスなど、用途に応じて異なるデザインが採用されています。

その他事業

西肥自動車は、バス事業以外にも、旅行業、タクシー事業、情報処理サービスなど、幅広い事業を展開しています。西肥グループとして、地域経済の発展にも貢献しています。

まとめ

西肥自動車株式会社は、100年以上の歴史を持つ老舗のバス会社であり、地域住民の生活に欠かせない存在です。これからも、安全・安心で快適なバスサービスを提供し、地域社会の発展に貢献していくことが期待されています。

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