さっぽろテレビ塔

さっぽろテレビ塔：札幌のシンボル

さっぽろテレビ塔は、北海道札幌市中央区の大通公園に位置する電波塔であり、札幌のランドマークとして親しまれています。1957年に総工費1億7000万円で建設され、高さは144メートル。設計は、数々の著名なタワーを手がけた内藤多仲が担当しました。

歴史

当初は電波発信塔としての役割を担い、NHK札幌放送局や札幌テレビ放送（STV）がテレビ電波を発射していました。しかし、北海道放送（HBC）が手稲山に送信所を設置し、より広いサービスエリアを構築したため、NHKとSTVは手稲山へ移行。現在は、AIR-G'・NORTH WAVEのFM各局の中継局施設とNHKの予備送信所が残るのみとなっています。

1961年には、松下電器産業（現パナソニック）から寄贈された電光時計が設置されました。これは、当時大通西2丁目にあったバスセンター利用客の要望に応えたものです。電光時計は二度の改修を経て、現在はLED製となり、広告表示も「National」から「Panasonic」へと変更されました。

鉄塔の色は、当初銀色でしたが、煤煙の汚れや冬季の視認性の問題から、「コッパーローズ」を経て「クラウディレッド」へと塗り替えられました。2002年には内外装の大改修が行われ、外壁の色も変更されています。

観光施設として

完成当初は、市内を一望できる数少ない施設として、多くの観光客が訪れました。プラネタリウムや映画館なども併設され、賑わいを見せていました。近年は周囲に高層ビルが建設され、突出感は薄れましたが、現在も大通公園の重要な景観要素として存在感を示しています。

年表

1955年：NHKが札幌へのテレビ局建設計画を立案、テレビ塔建設の意見を付与
1956年：札幌市がテレビ塔建設を可決、建設着工
1957年：展望台営業開始、プラネタリウム開業
1959年：札幌テレビ放送がテレビ塔から送信開始
1961年：日本初の電光時計設置
1962年：NHKが手稲山へ送信機能を移設、プラネタリウム廃止
1969年：札幌テレビ放送が手稲山へ送信機能を移設
1971年：札幌地下街オーロラタウンと直結
2002年：リニューアルオープン、キャラクター「テレビ父さん」発表
2005年：NHKのアンテナ一部撤去により高さが144mとなる
2006年：電光時計リニューアル、LED採用
2010年：日本夜景遺産に認定
2012年：運営会社名を「株式会社さっぽろテレビ塔」に変更
2021年：NHK-FMの札幌大通中継局を移転
2025年：登録有形文化財として認定

構造

地下1階はさっぽろ地下街オーロラタウンと接続し、「テレ地下グルメコート」として飲食店街が展開されています。地上1階は案内所やチケット売場、2階は多目的ホールと管理事務所、3階には土産店とレストランがあります。展望台は地上90mに位置し、エレベーターでアクセスします。展望台からは大通公園や札幌の街並みを一望でき、四季折々の景色を楽しむことができます。

展望台フロアのみ、フリーWi-Fiが利用可能です。

キャラクター

公式キャラクターは「タワッキー」ですが、「テレビ父さん」の方が人気を集めています。テレビ父さんは非公式キャラクターでありながら、公式ウェブサイト内に特設サイトが設けられ、3階には「テレビ父さんのほほんパーク」があります。パンフレットや展望台入場券にもイラストが起用され、ほぼ公式キャラクターと同様の扱いとなっています。

幻の改築構想

2006年には、開業50周年を機に新タワーの研究会が立ち上げられ、建て替え構想が検討されました。全高650m、地上50階建てのビルにタワーを配し、展望台や商業施設、オフィス、ホテルなどを備えた複合施設として、総事業費750億円を見込んでいました。しかし、相次ぐ着服問題や資金調達の難航により、計画は中止されました。

さっぽろテレビ塔を舞台にした作品

『万年太郎と姉御社員』
『ゴジラvsキングギドラ』
『ゴジラvsスペースゴジラ』
『ガメラ2 レギオン襲来』
『最終兵器彼女』

さっぽろテレビ塔は、札幌の歴史とともに歩み、多くの人々に愛されてきたランドマークです。展望台からの眺めはもちろん、テレビ父さんやグルメなど、様々な楽しみ方ができます。札幌を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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