さまぁ〜ずげりらっパ

さまぁ〜ずげりらっパ：名古屋の街を舞台にした予測不能なバラエティ番組

『さまぁ〜ずげりらっパ』は、名古屋テレビ（メ〜テレ）が制作し、一部テレビ朝日系列局で放送された、異色のバラエティ番組です。2002年4月から2008年9月まで、全317回にわたって放送され、その独特のスタイルと数々の珍事件で多くの視聴者を魅了しました。

番組の中心は、さまぁ〜ずの大竹一樹と三村マサカズ。彼らは毎回、ゲリラ的に街中に現れ、共演者たちと共に、様々な企画に挑戦します。その内容は、体を張った実験企画からゲストを招いたトークショーまで多岐に渡り、そのほとんどが屋外ロケで実施されました。特に名古屋市内の繁華街、大須商店街や栄ラシック周辺では、彼らの登場に多くの見物人が殺到し、パニック状態になることも珍しくありませんでした。

番組の大きな特徴は、その自由奔放なスタイルにあります。事前に企画内容を知らされないまま、さまぁ〜ずはディレクターから突拍子もない指示を受け、それに戸惑いながらも対応していく様は、番組の見どころの一つでした。また、『テープをほとんど止めない』という大胆な演出も特徴的です。移動中や企画の合間も撮影が続けられ、出演者の素顔や、普段は見られないような表情を捉えたシーンが数多く放送されました。

番組は当初、音楽番組を自称していました。インディーズバンドの楽曲紹介や人気歌手の新曲紹介のコーナーなども存在しましたが、すぐにバラエティ番組へと転換。放送地域も、当初はメ〜テレのみでしたが、人気が高まるにつれてネット局も増加していきました。しかし、放送末期にはネット局での打ち切りや不定期放送への変更などが相次ぎ、最終的にはメ〜テレ、東日本放送、長野朝日放送の3局のみでの放送となりました。

番組の企画も多種多様でした。
トークショー: 民家など、他番組では考えられないような場所でゲストを招いてトークショーを開催。ゲストの反応や、思わぬハプニングも楽しみの一つでした。
電車ライブ・バス企画: 私鉄車両や名鉄バスを貸切にして、移動中も撮影を行うなど、斬新な企画を多数展開しました。
実験シリーズ・巨大シリーズ: 大掛かりな実験装置を作り、成功するかどうかを試す企画。失敗を「引き分け」と評するなど、独特のユーモアも持ち合わせていました。
自転車企画: ゲストやスタッフと自転車で街中を走る企画。ギャラリーが殺到し、パニックになることもありました。
まっすぐ歩こう: 障害物を避けつつ一直線に歩く企画。通行人の許可交渉など、予想外の展開も魅力でした。
さまぁ〜ず貸します: さまぁ〜ずを希望者にレンタルする企画。当初は人気企画でしたが、徐々に実施頻度は減っていきました。
外来種バスターズ: 外来種を駆除する自然保護をテーマにした企画。大学教授や地元高校生などの協力も得て行われました。
グルメシリーズ: 名古屋の美味しい食べ物を紹介する企画。さまぁ〜ずお気に入りの企画として人気でした。
コンビニオリジナル商品開発: 番組オリジナルのコンビニ商品を開発・販売する企画。ローソンやファミリーマートとのコラボも実現しました。
番組テーマソング制作: 番組テーマソングの制作。作詞はさまぁ〜ずと女性レギュラー陣、作曲はロケットマンが担当しました。

番組は、数々の珍事件も経験しました。深夜の街中での自転車企画でギャラリーが殺到し、出演者が転倒する事故が発生したり、高所作業車を使った企画で安全管理の不備を指摘されたりなど、番組の自由奔放なスタイルゆえのトラブルも少なくありませんでした。

2008年9月の最終回では、6年半の放送で用いられた小道具や大道具を派手に爆破して幕を閉じました。全317回の放送は、「サイナラ」と読めることから、大竹のコメント通りにこの数字で終了したのかもしれません。2011年からはエンタメ〜テレ☆シネドラバラエティで再放送も開始され、番組の人気の高さが伺えます。

『さまぁ〜ずげりらっパ』は、予測不能な展開と、出演者の自由な発想が魅力の、唯一無二のバラエティ番組でした。その自由さ故にトラブルも多かったものの、視聴者に多くの笑いと記憶を残した番組として、長く語り継がれることでしょう。

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