さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 音楽集

『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 音楽集』：永遠の愛とロマンを奏でる宇宙の交響楽

『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 音楽集』は、1978年に公開された劇場アニメ映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』のサウンドトラックアルバムです。1977年公開の再編集版『宇宙戦艦ヤマト』の大ヒットを受け、制作された本作は、前作『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』に続く、宮川泰氏による壮大な交響曲形式で作曲・編曲されました。

LPレコードとして日本コロムビアより発売された後、CD、そしてBlu-spec CDと、様々なフォーマットで再リリースされ、現在も多くのファンに愛されています。オリジナルのLPジャケットには、「永遠の愛とロマンをのせて --- ヤマトはいま最後の戦いが待つ宇宙のかなたへ......」「前作に加えられた素晴しい愛の戦慄」といった、映画の世界観を伝えるキャッチコピーが添えられていました。

本アルバムは、単なるBGM集ではなく、映画音楽としての完成度の高さが際立っています。「序曲」では、『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』からの名フレーズを織り交ぜながら、「白色彗星」、「アンドロメダ」、「テレサよ永遠に」といった劇中歌の旋律を巧みに引用し、ダイジェスト版のような構成となっています。

特に「白色彗星」では、武蔵野音楽大学のパイプオルガンが使用されており、同大学の教授と、当時高校生の宮川彬良氏が演奏に参加したという逸話も残っています。また、デスラーを題材とした「デスラー 襲撃」、「デスラー 孤独」、「デスラー 好敵手」など、キャラクター像を際立たせる楽曲も収録されています。「デスラー 好敵手」は、ささきいさお氏が歌うシングル「好敵手」のインストゥルメンタルバージョンで、映画本編には使用されていませんでしたが、アルバムに収録されることで、作品の世界観をより深く味わえるようになっています。

さらに、シングル「テレサよ永遠に」と、沢田研二氏が歌う主題歌「ヤマトより愛をこめて」のインストゥルメンタルバージョンも収録されており、様々な角度から映画音楽の魅力を楽しむことができます。演奏はシンフォニック・オーケストラ・ヤマトが担当し、羽田健太郎氏のピアノ演奏や木村好夫氏のギターソロも参加、川島和子氏によるスキャットも効果的に用いられるなど、豪華な布陣となっています。

『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 音楽集』は、単なる映画音楽にとどまらず、その後のアニメーション音楽にも大きな影響を与えた、歴史的にも重要な作品と言えます。映画本編を鑑賞した方だけでなく、アニメ音楽ファンにとっても、必聴のアルバムと言えるでしょう。 その後の再リリースにおいても、高音質化が図られ、最新の技術を用いたバージョンも登場していることから、時代を超えて愛され続けていることが分かります。 オリジナル版の持つアナログな温かさと、現代版の高音質サウンドを比較して聴き比べるのも、また違った楽しみ方と言えるでしょう。

本作品は、作曲・編曲・指揮を宮川泰氏が、演奏をシンフォニック・オーケストラ・ヤマトが担当し、ピアノに羽田健太郎氏、ギターに木村好夫氏、パイプオルガンに宮川晶氏、スキャットに川島和子氏といった豪華なメンバーが参加しています。録音は武蔵野音楽大学ベートーベンホールで行われました。 また、「ヤマトより愛をこめて」の作曲は、大野克夫氏が担当しています。

関連作品として、ささきいさお氏歌唱によるシングル『さらば宇宙戦艦ヤマト』（「好敵手」「テレサよ永遠に」収録）、沢田研二氏歌唱によるシングル『さらば宇宙戦艦ヤマト』（「ヤマトより愛をこめて」収録）、そしてドラマ編のサウンドトラックアルバム『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち ドラマ編』などが挙げられます。これら関連作品もあわせて聴くことで、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の世界をより深く理解することができます。

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