さるかめ合戦 (日本)

さるかめ合戦

概要

「さるかめ合戦」は、山口県青海島に伝わる民話です。かつて青海島と仙崎が陸続きであった時代を舞台に、サルとカメの争いが島を分離させるという、ユニークな物語が展開されます。テレビアニメ『まんが日本昔ばなし』でも「猿亀合戦」として放映され、広く知られています。

あらすじ

昔々、青海島と仙崎は非常に近く、干潮時には歩いて行き来できるほどでした。青海島にはたくさんのサルが住んでおり、干潮になると仙崎へ遊びに行っていました。

ある日、サルが仙崎へ向かおうとすると、道に大きなカメが眠っていました。サルはカメを起こそうと大声で叫び、カメの首を引っ張りました。驚いたカメは首を甲羅の中に引っ込めてしまいます。すると、サルの手はカメの首と甲羅の間に挟まって抜けなくなってしまいました。

仲間のサルも集まってきて、みんなで引っ張り合いますが、どうしてもサルの手は抜けません。そうこうしているうちに、潮が満ちてきました。カメが再び首を出すと、その拍子にサルの手は抜けましたが、引っ張る勢いでサルはお尻もちをついてしまいました。その衝撃で、なんと青海島が仙崎から遠く離れてしまったのです。それ以来、干潮になっても歩いて行き来することはできなくなってしまいました。

物語の背景と解釈

長門市史では、この民話を大日比から仙崎の分離・独立を示唆しているのではないかと推測しています。サルとカメの争いを、地域間の対立や変化の象徴として捉えることができるかもしれません。また、自然の力によって地形が変わるという、昔の人々の自然観も反映されていると考えられます。

まんが日本昔ばなし

テレビアニメ『まんが日本昔ばなし』では、「猿亀合戦」として1986年3月29日に放映されました。アニメ版では、ユーモラスな演出が加えられ、子供から大人まで楽しめる作品となっています。

参考文献

* 松岡利夫 編「猿亀合戦」『周防・長門の民話 第一集』（新版）未來社〈日本の民話 29〉、2016年。ISBN 978-4-624-93529-0。

まとめ

「さるかめ合戦」は、単なる昔話としてだけでなく、地域の歴史や文化、自然観を伝える貴重な資料でもあります。サルとカメのユーモラスな物語を通して、青海島の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

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