さんふらわあ あいぼり

さんふらわあ あいぼり：大阪と別府を結んだフェリーの軌跡

1997年、三菱重工業下関造船所で建造された「さんふらわあ あいぼり」は、フェリーさんふらわあ（当時、関西汽船とダイヤモンドフェリーが統合）の主力フェリーとして、大阪南港（大阪南港コスモフェリーターミナル）と大分県別府港を結ぶ航路に就航しました。当初は神戸、松山、別府港に寄港する航路でしたが、2010年には松山港への寄港が終了。航路の変更により、所要時間が約1時間短縮されました。

環境調査への貢献

「さんふらわあ あいぼり」は、国立環境研究所が実施した東アジア海域海洋環境モニタリングプロジェクトに貢献しました。前任船である「さんふらわあ2」に搭載されていた海水のサンプリングシステムを引き継ぎ、2005年まで貴重な海洋環境データの収集に携わりました。

船内設備と快適性

「さんふらわあ あいぼり」は7層構造の船体で、最上階には操舵室と乗組員居住区を備えていました。客室はデラックス、ファースト、スタンダード、ツーリストベッド、ツーリストと様々なタイプがあり、乗客のニーズに対応していました。船内にはレストラン（バイキング形式）、ラウンジ、キッズスペース、売店、ゲームコーナー、展望浴室など、快適な船旅をサポートする設備が充実していました。

客室タイプ

デラックス客室
ファースト客室
スタンダード客室
ツーリストベッド客室
ツーリスト客室

その他設備

レストラン（バイキング形式）
ラウンジ
キッズスペース
売店
ゲームコーナー
* 展望浴室

運航と引退

長年にわたる活躍後、「さんふらわあ あいぼり」は、新造船「さんふらわあ くれない」の就航に伴い、2012年1月12日に引退を迎えました。その後、インドネシアに売却され、「DHARMA KARTIKA Ⅱ」として新たな航海を続けています。

事故・インシデント

2009年7月26日、大阪南港フェリーターミナルに着岸中、熱媒油加熱システムの点検作業中に熱媒油が噴出、出火する事故が発生しました。この事故により、左舷煙突の一部が焼損しました。

まとめ

「さんふらわあ あいぼり」は、単なるフェリーとしてだけでなく、環境調査への貢献や、快適な船旅を提供する存在として、多くの人々の記憶に残る船となりました。その活躍は、日本のフェリーの歴史に新たな1ページを刻んでいます。現在もインドネシアで活躍するその姿は、日本の造船技術の高さを示す証でもあります。

もう一度検索