さんふらわあ こばると

さんふらわあ こばると：瀬戸内海の航跡

さんふらわあ こばるとは、かつてフェリーさんふらわあ（当時、関西汽船とダイヤモンドフェリーが統合）が運航していたフェリーです。愛称で親しまれ、多くの人々を乗せて瀬戸内海を航行しました。三菱重工業下関造船所で建造され、1998年4月8日、神戸（阪神）―松山―別府航路に就航しました。

就航から引退まで

当初は神戸、松山、別府の3港に寄港していましたが、2010年2月下り便、2011年4月30日上り便で松山への寄港が終了。これにより航行時間は約1時間短縮されました。その後、大阪南港コスモフェリーターミナルと別府港を結ぶ航路に就航しました。

2009年11月1日には、関西汽船とダイヤモンドフェリーの統合により、フェリーさんふらわあによる運航となりました。この際に、船体のファンネルマークが関西汽船の赤・白・赤のマークからオレンジ1色に変更されています。

長年に渡り活躍したさんふらわあこばるとでしたが、新造船「さんふらわあ むらさき」の就航に伴い、201X年4月13日別府発便をもって引退しました。引退後はインドネシアに売却され、「DHARMA KARTIKA V」として第二の人生を歩み始めました。

船内設備と構造

さんふらわあこばるとの船体は7層構造で、上からコンパス甲板、航海船橋甲板、E・F・G・H・I甲板と名付けられていました。航海船橋甲板は操舵室と乗組員居住区、E・F甲板は客室、G・H甲板は車両搭載区画、I甲板は機関室として機能していました。

乗客向け設備としては、エントランス、ラウンジ、レストラン（バイキング形式の朝食と夕食を提供）、売店、自動販売機、ゲームコーナー、キッズスペース、展望風呂、コインロッカーなどが備えられていました。快適な船旅をサポートする充実した設備が、多くの人々を魅了しました。

事故とインシデント

2007年7月9日、松山港を出港して別府港へ向かう途中、興居島と四国の間にある高浜瀬戸の最狭部で小型タンカーと衝突するという事故が発生しました。この事故で船体は左舷船首部に損傷を受け、1週間の欠航を余儀なくされました。事故原因は、双方が衝突回避のための適切な措置を取らなかったことだと結論付けられました。

まとめ

さんふらわあ こばるとは、長期間にわたり瀬戸内海の航路を支え、多くの人々に快適な船旅を提供しました。船内設備の充実や、航路変更、そして引退後の海外での活躍など、その歴史は日本のフェリーの歴史の一部として刻まれています。 その功績は、今も人々の記憶に鮮やかに残っています。 愛称で親しまれ、多くの思い出とともに、さんふらわあこばるとの航跡は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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