さんふらわあ さつま

さんふらわあ さつま：快適さと環境性能を両立したカジュアルクルーズ

2018年5月15日に就航した「さんふらわあ さつま」は、商船三井フェリーが運航するフェリーです。前船の代替として建造され、大阪と志布志（鹿児島）を結ぶ航路で活躍しています。単なる移動手段ではなく、旅そのものを楽しめるよう、様々な工夫が凝らされています。

設計：大型化と環境性能の両立

前船より大型化（500総トン増）され、車両積載能力はトラック積載台数で16％向上しました。同時に、環境への配慮も徹底されています。搭載された高効率ハイブリッドCRP推進システムは、二重反転プロペラによる高効率推進と、主機駆動・推進電動機の2つの駆動方式を組み合わせることで、燃費の向上と操船性能の向上を実現しています。CRP推進システム、省エネ機器の導入、最適船型の開発など、様々な工夫により、大型化と優れた環境性能を両立しています。

船内：カジュアルクルーズのための充実設備

船内のコンセプトは「初めての経験 わくわくドキドキ さんふらわあのカジュアルクルーズ」。船室は個室化され、シャワー、洗面台、トイレが全室完備されています。さらに、専用バルコニー付きのスウィートなど、様々なタイプの客室を用意することで、快適な船旅を提供します。ペット同伴可能な客室やバリアフリー対応客室も充実しており、幅広いニーズに対応しています。

パブリックスペースも前船の2.5倍に拡張され、広々としたレストランや大浴場が利用できます。レストランではバイキング形式の食事に加え、テイクアウトメニューも用意されています。大浴場はドライバー専用の浴場も設置され、快適な休憩空間を提供しています。また、船内Wi-Fi「SSQ（SunFlower Smart Quest）」では、船内案内や観光情報、映像コンテンツなどが提供され、スマートフォンやタブレットで手軽に情報を得ることができます。

デザイン：鹿児島の文化を表現した内装

内装デザインは、鹿児島をイメージした「デスティネーションデザイン」が採用されています。船内各所に、鹿児島の自然や文化をモチーフにしたアートワークが施され、旅情を高める演出がなされています。たとえば、エスカレーターには「雄川の滝」をモチーフにしたデザインが施され、客室前廊下のカーペットには、鹿児島県の県木であるカイコウズのデザインが用いられています。レストランの壁画には「海幸山幸」や「浦島太郎」などのモチーフが描かれ、日本の伝統的な絵画を現代風にアレンジしたデザインとなっています。

設備：充実した設備で快適な船旅をサポート

7階には展望浴場、シャワールーム、ドッグラン、ペットルーム、ベビールームが設置されています。6階には様々なタイプの客室、レセプション、アトリウム、ショップ、レストラン、キッズルーム、ゲームルームなどが配置されています。アトリウムは3フロア吹き抜けとなっており、「南国の森の祭り」をテーマにした空間となっています。5階以下は車両甲板となっています。エントランスの天井では、日本のフェリーとして初めて常設のプロジェクションマッピングが上映され、鹿児島への旅の始まりを演出します。

まとめ：進化したカジュアルクルーズ体験

「さんふらわあ さつま」は、大型化による快適性と環境性能の向上、充実した船内設備、そして鹿児島の文化をイメージした洗練されたデザインが融合した、新しい時代のカジュアルクルーズを提供しています。単なる移動手段を超えた、旅そのものを楽しめるフェリーとして、多くの人々に選ばれています。2024年にはONE PIECEとのコラボレーションも実施され、さらに魅力的な船として進化を続けています。

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