さんふらわあ ぴりか

フェリー「さんふらわあ ぴりか」について

「さんふらわあ ぴりか」は、日本の商船三井が運航する新型フェリーで、大洗-苫小牧航路の深夜便としての役割を担っています。2022年に商船三井フェリー社が新たにこの船の発注を決定したのは、既存の深夜便である「さんふらわあ しれとこ」と「さんふらわあ だいせつ」を代替するためです。船は内海造船因島工場で建造され、2025年7月18日に苫小牧港からの便で正式に運航を開始する予定です。

この船の名前にはアイヌ語に由来する意味があり、「美しい」「綺麗」「豊か」という言葉を表現しています。これは、地域と人々を長期間にわたって結びつけ、明るく美しい未来を照らす存在であることを願ったものです。船の進水式では、ホクレン農業協同組合連合会の篠原末治代表理事会長が命名を行い、その意義を強調しました。

船内の設備

「さんふらわあ ぴりか」は、快適な船旅を提供するためにさまざまな設備が整っています。乗客は多様な客室タイプから選ぶことができ、例えば、シングルルームは42室、バリアフリーシングルは2室、ツインルームは4室、バリアフリーツインは3室、さらにペット同伴できる特別室が8室用意されています。これにより、様々なニーズに対応可能です。

船内には、案内所をはじめ、展望浴場やサウナ、プロムナード、ショップなど、多彩な施設が整っています。特に子供連れの家族向けにはキッズスペースがあり、安心して楽しめる環境が提供されています。それに加えて、リラックススペースやソファ席、自動販売機コーナー、フィットネスルーム、ペットルーム、さらにはドッグランも完備されており、犬との旅行にも配慮された設計になっています。

事故・インシデント

しかし、船の運航は常に順調というわけではありません。2025年7月19日、ちょうど運航開始から1日後、大洗港から苫小牧港へ向かう途中で、岩手県の魹ヶ崎沖にてクジラと見られる海洋生物と接触する事故が発生しました。この影響で予定通り苫小牧港に到着したものの、スタビライザーの不具合が確認され、船は運休となりました。運航の再開は7月24日から、苫小牧発の便として行われる予定です。

「さんふらわあ ぴりか」は、その美しい名前や施設、そして最新技術を駆使した設計が評価されており、今後の運航が期待されます。中でも地域との結びつきや、旅行者に快適な体験を提供するための努力は、多くの人々に歓迎されることでしょう。この新しいフェリーは、海を渡る楽しさを提供するだけでなく、地域の発展にも貢献してくれることでしょう。

もう一度検索