しあわせのマスカット

しあわせのマスカット

『しあわせのマスカット』は、2021年5月14日に公開された日本映画です。吉田秋生が監督を務め、福本莉子が映画単独初主演を果たしました。

概要

本作は、岡山県で栽培されている高級ぶどう「マスカット・オブ・アレキサンドリア」をテーマにした作品です。主人公の女子高生が、マスカットを使った和菓子に魅了され、やがて和菓子職人になるという夢を追いかける姿を描いています。岡山県を舞台に、美しい風景の中で繰り広げられる、夢と希望に満ちた物語です。

アジアン・ワールド・フィルム・フェスティバル2019のJapan Day部門でワールドプレミア上映もされました。

あらすじ

北海道から修学旅行で岡山を訪れた女子高生の相馬春奈は、お土産に「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を買おうとしますが、財布を落としてしまいます。代わりに「陸乃宝珠」というマスカットを一粒包んだ和菓子に出会い、その美味しさに感動した春奈は、製造元の老舗和菓子メーカー「宗家 源吉兆庵」に就職することを決意します。

しかし、不器用な春奈は研修で失敗ばかり。会社は彼女をぶどう農家の秋吉伸介の元へ派遣し、ぶどう作りの手伝いをさせます。最初は反発していた伸介も、春奈のひたむきな姿に心を動かされ、次第に打ち解けていきます。しかし、過去の悲しい出来事が二人の間に影を落とし、春奈は自分の進むべき道を見失いかけますが、西日本豪雨災害をきっかけに、再び前を向いて歩き出すことを決意します。

キャスト

相馬春奈：福本莉子
秋吉伸介：竹中直人
屋敷達也：中河内雅貴
相馬雪絵：本仮屋ユイカ
秋吉みよし：土居裕子
田岡社長：長谷川初範

スタッフ

監督：吉田秋生
脚本：清水有生
* 音楽：遠藤浩二

製作の背景

プロデューサーの丹羽多聞アンドリウは、脚本取材で岡山を訪れた際、実際の水害の話を聞き、当初のストーリーから大幅な変更を加えたことを明かしています。また、主演の福本莉子は、自身が演じた春奈について「何度挫けても明るく輝く太陽のような女の子」と語っています。

本作は、岡山を拠点とする和菓子メーカー「宗家 源吉兆庵」が全面協力しており、劇中に登場する和菓子も実際に販売されています。

ロケ地

撮影は岡山市、総社市、倉敷市など岡山県内各地で行われました。宗家 源吉兆庵本社ビルや藤田工場、倉敷美観地区などがロケ地として使用されています。

関連商品

劇中に登場する和菓子「しあわせのマスカット」は、実際に商品化され、販売されています。福本莉子は、「映画を見て『おいしそうだな』と思った方が本当に食べられるし、お店で和菓子から見た方には『こんな映画があるんだ。見に行こう』と思っていただける」とコメントしています。

映画が描くもの

『しあわせのマスカット』は、地方の活性化や地域文化の継承といったテーマも内包しながら、一人の少女の成長物語を丁寧に描いています。美しい岡山県の風景や、美味しそうな和菓子の数々も見どころです。夢を追いかけることの素晴らしさ、人との繋がり、そして故郷への愛を描いた、心温まる作品です。

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