しゃっくり寛太

『シャープ日曜座 しゃっくり寛太』は、1960年7月3日から1961年3月26日まで、日本テレビ系列で放送された読売テレビ制作の時代劇コメディ番組です。その後、1961年4月2日から同年9月24日までは『続しゃっくり寛太』と題して放送されました。全91回（65回+26回）にわたり、早川電機工業（現・シャープ）が全編にわたって提供していました。放送時間は毎週日曜日の12時15分から12時45分まででした。

番組の舞台は、大坂天満界隈の黄表紙長屋。そこに住むスリの名人「しゃっくり寛太」を中心に物語は展開します。胸に大きな望みを抱いて大阪にやって来た謎の若侍「結城隼人」、寛太を執拗に追いかける間抜けな目明し「横堀の甚助」、寛太のスリ仲間である「せんぶりの仙吉」、そして不幸な境遇にある「角兵衛獅子のお玉」といった個性豊かなキャラクターたちが、ドタバタ劇を繰り広げます。

この番組は、1937年に榎本健一、1958年に三木のり平が主演した映画『ちゃっきり金太』をモチーフにしたコメディ作品です。主演の藤山寛美にとっては、これが初のテレビ出演となりました。藤山寛美は、大阪を代表する喜劇役者で、そのコミカルな演技と親しみやすい人柄で多くの視聴者を魅了しました。

主な出演者は以下の通りです。

しゃっくり寛太（主人公）：藤山寛美
結城隼人（若侍）：坂東吉弥
横堀の甚助（目明し）：南都雄二
せんぶりの仙吉（寛太のスリ仲間）：森秀人
角兵衛獅子のお玉：上田千穂
お玉の親方：岸田一夫

番組の主題歌は『しゃっくり寛太』で、橋幸夫が歌いました。作詞は佐伯孝夫、作曲は吉田正が担当しました。この楽曲は、橋幸夫が藤山寛美のファンであり、恩師である佐伯、吉田の両氏に提案したことがきっかけで制作されました。藤山寛美は、この主題歌について、「ボク以上に多忙な橋君が、ボクのためにこんな素晴らしい主題歌を歌ってくれるなんて光栄です。主題歌に負けないように頑張りたい」とコメントしています。

橋幸夫はデビュー当時、ドラマの主題歌をいくつか担当していますが、『しゃっくり寛太』もその一つです。他の代表的な主題歌には『風の三度笠』（小西酒造提供白雪劇場「風の三度笠」主題歌）がありますが、いずれも橋幸夫自身はドラマには出演していません。また、これらの楽曲は、橋幸夫のシングルリストには掲載されていません。

番組は、そのコミカルなストーリー展開と、個性豊かなキャラクターたちの魅力で、多くの視聴者から支持を得ました。藤山寛美の独特なユーモアセンスと、橋幸夫の歌う主題歌は、番組をさらに盛り上げました。

『シャープ日曜座 しゃっくり寛太』は、当時のテレビドラマの歴史において、時代劇コメディというジャンルにおいて重要な作品の一つと言えるでしょう。また、藤山寛美という喜劇役者のテレビでの活躍の始まりを象徴する作品としても、その存在意義は大きいと言えます。

関連情報として、本番組の元になった映画『ちゃっきり金太』や、同じく藤山寛美が主演したコメディ番組『シャープコミカルス・ちゃりんぼ兄弟』も興味深い作品です。特に『シャープコミカルス・ちゃりんぼ兄弟』は、大村崑との共演で、こちらも人気を博しました。

外部リンクには、テレビドラマデータベースの関連ページへのリンクを掲載しましたので、興味のある方はそちらもご覧ください。

しゃっくり寛太 - テレビドラマデータベース
続しゃっくり寛太 - テレビドラマデータベース

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