すごいぞ!テープ

久保田利伸「すごいぞ!テープ」：伝説の原点

「すごいぞ!テープ」は、久保田利伸がプロデビュー前に制作し、関係者に配布したデモテープです。公式に存在が語られており、彼の音楽キャリアを語る上で欠かせない作品と言えるでしょう。1985年前後、作曲家・プロデューサーとして活動していた久保田が、趣味として制作したとされています。しかし、その完成度の高さから、ラジオ番組で取り上げられ、音楽業界で高い評価を獲得し、デビューの足がかりとなりました。

デモテープが秘める魅力

A面には、デビューアルバム『SHAKE IT PARADISE』にリメイク収録された楽曲が多く含まれており、彼の初期のオリジナル作品群を垣間見ることができます。また、このテープはブートレグとして様々なルートで流通し、Skoop On SomebodyのTAKEも聴いたことがあると語っています。

特に注目すべきは、B面に収録された「It's BAD」のセルフカバーバージョンです。元々は田原俊彦に提供された楽曲ですが、日本語ラップを初めてポップミュージックに取り入れた楽曲として、音楽史的な価値が高いとされています。久保田自身が歌うスタジオ録音バージョンは、このテープ以外には存在しません。

収録曲

A面

Missing
失意のダウンタウン
後のデビュー曲
流星のサドル
Dedicate (To M.E)
Insideカーニバル
For You ～伝えきれなくて

B面

It's BAD
田原俊彦に提供した楽曲のセルフカバー。作詞は松本一起。
日本語ラップを大衆ポップスに導入した画期的な楽曲。
1987年「夜のヒットスタジオDELUXE」で久保田自身が披露。
歌詞は田原版と異なり、宮沢賢治「雨ニモマケズ」や高村光太郎「道程」を引用。
I Wish
スティーヴィー・ワンダーのカバー。久保田による多重アカペラ。
A Song For You
レオン・ラッセルのカバー。ピアノ弾き語りで収録。
MEDLEY
洋楽メドレー。
『[ウィ・アー・ザ・ワールド]～セイ・ユー、セイ・ミー～ユー・アー・ザ・サンシャイン・オブ・マイ・ライフ～サウンド・オブ・サイレンス～レイディ～ジャスト・ワンス～愛の魔力～素顔のままで～オフ・ザ・ウォール～エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ～愛のハーモニー～ムーンライト・セレナーデ(インスト)～ハイ・クライム～ボーン・イン・ザ・U.S.A.～フットルース(インスト)～お気に召すまま～ウェイト・フォー・ミー～パワー・オブ・ラヴ～タイム・アフター・タイム～ベティ・ディヴィス・アイズ～バナナ・ボート～風に吹かれて～ジョージア・オン・マイ・マインド～ウィ・アー・ザ・ワールド』
80年代ヒット曲からオールディーズまで、幅広い選曲。
Lately
スティーヴィー・ワンダーのカバー。JODECIによるカバーでも有名。

「すごいぞ!テープ」は、久保田利伸の才能が花開く前の貴重な記録であり、日本の音楽史においても重要な意味を持つ作品と言えるでしょう。

もう一度検索