せかいいちうつくしいぼくの村

せかいいちうつくしいぼくの村

小林豊による絵本作品。1995年にポプラ社から出版され、翌年には産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。小学校4年生の教科書にも掲載されるなど、広く親しまれている。
続編として『ぼくの村にサーカスがやってきた』、『せかいいちうつくしい村にかえる』がある。

あらすじ

物語は、紛争が続くアフガニスタンのパグマンという村を舞台に、主人公の少年ヤモのひと夏を描いている。

ヤモの兄ハルーンは兵士として戦場へ行っており、ヤモは父と共にロバのポンパーと、さくらんぼを売りに出かけることになる。

初めての経験に戸惑いながらも、ヤモはさくらんぼを売る中で、様々な人々と出会う。少女や、戦争で足を失った老人。彼らとの触れ合いを通して、ヤモは逞しく成長していく。

さくらんぼを売り終えたヤモと父は、チャイハナ（食堂）で昼食をとる。そこで、父が隣り合わせた見知らぬ男と南方の戦況を心配そうに話すのを聞き、ヤモは戦場へ行った兄を案じる。

その帰り道、ヤモは果物を売ったお金で子羊のバファルー（春）を買って帰る。

しかし、平和な日々は長くは続かない。冬が来ると、戦火は村にも及び、ヤモの家も村も焼かれてしまう。

作品の特徴

アフガニスタンの風景描写:
絵本には、作者の小林豊が実際に訪れたアフガニスタンの美しい風景が描かれている。鮮やかな色彩と細やかなタッチで、自然や人々の暮らしが生き生きと表現されている。
戦争と平和:
物語は、戦争によって故郷を奪われた人々の苦しみを描きながらも、希望を失わずに生きる姿を映し出している。ヤモの純粋なまなざしを通して、平和の尊さを訴えている。
普遍的なテーマ:
家族の絆、故郷への愛、子供の成長といった普遍的なテーマが描かれており、読者の心に深く響く作品となっている。

書誌情報

書名：せかいいちうつくしいぼくの村
作・絵：小林豊
出版社：ポプラ社
発行日：1995年12月
ISBN：9784591041901

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