そうや (機雷敷設艦)

機雷敷設艦「そうや」の概要と艦歴

概要

「そうや」は、海上自衛隊が保有する初の機雷敷設艦として1952年に就役しました。この艦は、機雷敷設任務だけでなく、掃海隊群旗艦や母艦、さらには水中処分班の支援など多岐にわたる機能を持っています。

設計段階では、経済性を考慮し商船規則に従った商船構造が採用されましたが、実際の運用では戦闘行動の可能性や触雷時の危険性を念頭に置いた防御能力も備えられています。艦内の第2甲板は、全通の機雷庫として設計されており、3000ポンド級の機雷を最大266個搭載可能です。これにより、設計はより艦尾が高くなる船首楼型が採用されました。機雷敷設に必要な装置としては、中甲板に6条、上甲板に2条の敷設軌条が搭載されており、機雷は自動的に投下される仕組みが整っています。

操作性と最新技術

「そうや」には、その当時としては画期的な自動機雷敷設装置が装備されており、投下位置や数を機雷戦指揮室から操作することで、敷設状況がリアルタイムで把握できるシステムが導入されています。艦橋部分には掃海隊群の指揮を行うための多様な装備が整備されており、司令室や幕僚事務室などの機能が配置されています。

ヘリコプター支援施設

艦の後部にはヘリコプター甲板が設けられており、「V-107 A 掃海ヘリコプター」の発着が可能です。この甲板には空中給油装置や消火設備など、支援に必要な機能が積載されており、運用の安全性が考慮されています。また、ヘリコプター甲板の近くには移載用のクレーンも設置され、必要な物資の搭載が容易に行える設計となっています。

武装と対潜能力

「そうや」は、武装においても多機能性が求められました。68式50口径3インチ連装速射砲や20mm単装機銃が装備され、対潜戦のためにはSQS-11Aソナーと68式3連装魚雷発射管が搭載されています。これにより、機雷敷設艦でありながら艦防御能力を高め、様々な海上戦闘に対応できる艦艇となっていました。

艦歴

1970年に起工された「そうや」は、1971年に進水し同年に就役しました。就役当初は「敷設艦」として運用されていましたが、1977年には艦種区分が変更され「機雷敷設艦」として呼称されるようになりました。1988年には装備の改修が行われ、1996年には除籍されました。就役中の航行距離は約29万5千海里に達し、「そうや」の除籍に伴い、海上自衛隊の機雷敷設艦名からその名が消えました。

結論

「そうや」は、海上自衛隊の艦艇の中でも特異な存在であり、その自動機雷敷設システムや多様な機能によって、海の安全を確保するために寄与しました。長い歴史の中で培った技術や運用ノウハウは、後の機艦の発展に大きな影響を与えたことでしょう。

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