その町を消せ!

『その町を消せ!』

『その町を消せ!』は、光瀬龍の小説を原作としたNHKのテレビドラマで、1978年1月30日から2月23日まで、月曜日から木曜日の18:20から18:40に放送されました。全16話から成り、舞台は中学生たちの冒険と異世界の謎を描いています。

概要

本作は、光瀬龍が執筆した『その花を見るな!』と『消えた町』の2つの小説をもとにしています。登場人物の名前は主に『その花を見るな!』から引き継がれており、その影響が色濃く残っています。しかし、放送後にマスターテープはNHKに現存せず、残念ながら視聴者が直接見ることはできませんでした。家庭用ビデオで録画されたものをもとに、DVDが後年に発売されましたが、第2話に関しては音声だけの収録となっています。

ストーリー

物語は、中学生の井上鉄が肉屋へのお使いやレコード針を買うために外出する途中、同い年の少女・白戸依と出会うところから始まります。依は自宅に幽霊が現れると不安を募らせており、半信半疑のまま鉄は彼女の家を訪れます。そこで二人は、男の幽霊に出会い、驚愕します。幽霊の言葉「あれはどこにあるんだ?」が、依の行方不明の父親と関連していることに気づいた彼らは、依の父が研究していた倉庫へと向かいます。

倉庫でも女の幽霊に遭遇し、依が気を失っている間に、鉄は次元の穴からパラレルワールドへ飛ばされてしまいます。その世界は、鉄たちが知っている町に似ているものの、資源が枯渇し、物資が管理される独裁政治が敷かれていました。そこで出会ったのは、同じく迷い込んだ赤川二郎という少年です。幸いにも、鉄は彼に助けられます。

依も目を覚まし、二郎と共に鉄を捜すうちに、彼らは次元の穴を越えてパラレルワールドにたどり着きます。彼らが迷い込んだ世界では、秘密機関によって市民が監視されており、依の父・白戸博士は次元跳躍装置を研究していたため、謎の組織に狙われていました。依の父が拉致されたことを知った鉄と依は、彼を救出しようと奮闘します。

その後、仲間と信じていた人物が実は敵の手先であったことが判明し、物語は大きなクライマックスを迎えます。彼らは博士の次元跳躍装置を手に入れようとし、本部の計画が明るみに出ます。本部は町の住人を入れ替えて、秘密裏に侵略をもくろんでいたのです。果たして鉄や依は、本部の陰謀を打破し、元の世界へ無事に戻ることができるのでしょうか？

キャスト

• - 井上鉄：小山梓（中学2年生）
• - 白戸依：玉川砂記子（中学2年生）
• - 赤川二郎：熊谷俊哉（中学3年生）
• - 森田千鶴子：斉藤浩子（パラレルワールドの中学生）
• - 白戸健一郎：内田稔（依の父）
• - 黒崎：石橋蓮司（本部の部長）

スタッフ

• - 原作：光瀬龍
• - 脚本：山根優一郎
• - 音楽：北爪道夫
• - 主題歌：「季節」

ドラマは多くのファンに愛され、物語の緊張感やキャラクターの成長が高く評価されました。視聴者には、異世界を舞台にした冒険や友情の大切さを伝える作品として記憶されています。

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