内田稔

内田稔

内田稔（うちだみのる）は、1927年3月18日に岡山県倉敷市で生まれた日本の俳優・声優である。2018年4月2日に91歳で逝去。彼は、主に映画やテレビドラマで悪役として知られ、多様な役柄を演じることで長いキャリアを築いた。彼の本名でもある内田稔は、岡山縣倉敷工業學校（現在の岡山県立倉敷工業高等学校）を卒業した後、文学座を経て劇団昴に所属した。

経歴

内田は、戦後復員の後、大学入試に向けた勉強をしていた1949年に新聞で見つけた文学座の演劇研究所の募集に応募。その後、俳優としての道を歩み始めた。1951年3月、彼は文学座アトリエ公演でテネシー・ウィリアムズ作の『ながの別れ』に出演し、初舞台を踏む。1963年には、芥川比呂志や仲谷昇らとともに文学座を脱退し、劇団雲を結成。その後も劇団欅を経て、1976年からは劇団昴に所属し続けた。

映画やテレビにおいて、内田は主にインテリ系の悪役として知られており、時代劇や現代劇を問わず策士やフィクサーといった多彩な役どころを演じた。ところが、1990年代以降はその演技の幅を広げ、舞台作品においても感情豊かな善役を数多く演じるようになった。また、東映セントラル作品に出演する中で松田優作とも親交を深め、NHK大河ドラマにも常連として数多く出演した。

さらに、内田は洋画の吹き替えでも活躍し、特にヘンリー・フォンダの声を担当した実績は称賛されている。彼は多くの映画を通じて、特にフォンダの作品での吹き替えが評価された。2000年代中頃、内田は俳優としての活動を一時休止したが、妻である女優の新村礼子を失った2011年に、劇団昴の舞台『クルーシブル〜るつぼ〜』で俳優業を復帰させた。

引退と死去

2018年4月、肺炎により岡山県倉敷市の病院で逝去。91歳での死去は、多くのファンに衝撃を与えた。文化的な貢献と演技力により、内田稔は日本の芸能界において特別な存在であり続けている。

特技

内田は、特技として機械設計を持っており、役者業の合間に技術的な知識も活かしていた。彼の多才な一面も、ファンに愛され続けた理由のひとつである。

主な出演作品

内田の俳優生活は数々の作品で彩られており、数多くのテレビドラマや映画、舞台に出演している。大河ドラマや人気のテレビシリーズ、さらには映画にも多くの名演技を残した。特に日本の名作ドラマや時代劇での彼の演技は印象的で、忘れられない存在感を放っている。彼の吹き替え活動においても、その影響力は大きく、今もなお多くの作品で彼の声が生き続けている。

内田稔は俳優として多くの人々に感動を与え、獲得した名声は日本の映画・テレビ界において長く語り継がれるであろう。

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