そり競技

そり競技の概要

そり競技、通称「そりきょうぎ」は、乗って滑ることを楽しむスポーツで、主に冬の雪に覆われた地域で行われます。選手は着座の状態やうつ伏せでそりを用いて滑降し、牽引による滑走も楽しむ活動を含めます。そり滑りは、冬季オリンピックやパラリンピックにおいても重要な競技として採用されています。

そり競技の起源と発展

19世紀半ば、スイスのサンモリッツにて、英国からの観光客たちが配達用のそりを改造し遊び始めたことが、近代そり競技の発端です。1883年、ダボスで初の大会が開催され、その後、ボブスレーやリュージュ、スケルトンなどの競技が次々と発展しました。オリンピック競技としての認可も1926年に行われ、その滑走ルールが国際基準として受け入れられました。

ボブスレー

ボブスレーは前部にハンドル、後部にブレーキを持つ、鋼鉄製のそりです。選手は、200kg近い重さのボブスレーを押し出し、スタート時に飛び乗って滑り始めます。2人乗りと4人乗りがあり、時速140キロメートルに達することもあります。ボブスレーのデザインは空気力学に基づいて改良が行われ、競技用車両のような進化を遂げています。

リュージュ

リュージュは、鋼の刃を持つそりですが、ハンドルやブレーキはありません。そのため、選手は背中を下にして仰向けに乗り、足首を使って操作します。スタートバーから反動をつけて飛び出し、スパイク付き手袋で氷をかいて加速します。最高速度は150キロメートルに達し、オリンピックでは、精密に1/1000秒まで競うシビアな競技です。

スケルトン

スケルトンは、シンプルなデザインのそりを使用し、選手はうつ伏せの姿勢で頭を前にしてコースを滑ります。体感速度は非常に高く、最高で時速100キロメートルを超えます。顔が氷から数十センチという位置にあり、スピード感は計り知れません。

競技トラック

現在、ボブスレー・リュージュ・スケルトンの競技が行われるための国際基準を満たしたトラックは、主に欧米に17か所存在します。特にサンモリッツにあるトラックは自然冷却ですが、他のトラックは人工的に冷却されています。日本を含むアジア地域では、冬季オリンピックに向けて整備されたトラックも期間限定で使用されていますが、定期的に競技が行われることはほとんどありません。

牽引によるそり滑り

そりは、乗用や荷物運搬用に分類され、特に北欧とロシアで人気があります。また、牽引による滑りは人力、馬、犬などによって行われ、観光やレースに利用されています。これに関連する「輓曳競馬」は、日本の帯広競馬場のみが定期開催されています。

犬ぞりレース

犬ぞりはチームで行われ、マッシャーと呼ばれる操縦者が犬たちを引かせ、競走を行います。一部は数キロメートルの短距離レースから、1000キロメートル以上の長距離レースも開催されます。レース期間は数日から数週間にわたります。

そり遊び

そり遊びは、木製やプラスチック製のそりで丘を滑り降りるなどの娯楽を指します。古代から雪の中での遊びとして楽しまれてきた歴史があります。19世紀中頃になると、リュージュやスケルトンなどが派生しました。これにより、そり遊びはウィンタースポーツとしての地位を得ることになりました。

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