たけしのお笑いサドンデス

『たけしのお笑いサドンデス』は、1983年10月26日から1984年6月27日まで、毎週水曜日のゴールデンタイムにTBS系列で放送されたお笑い番組です。司会を務めたのはビートたけし。前番組『笑ってポン!』から引き続きの担当でしたが、放送時間は30分に短縮され、リニューアルされた点が特徴です。

番組は、一般参加者が持ちネタを披露し、審査員が採点するゴングショー形式を採用していました。参加者は、素人からベテランまで幅広く、中には後に有名になる芸人も含まれていました。優勝者には、ビートたけしによる芸名命名という特別な特典が与えられました。

審査員は「三議員」と呼ばれ、立川談志や上田馬之助など、個性豊かな面々が名を連ねていました。特に談志の辛口な審査は、番組の見どころの一つでもありました。談志の厳しい言葉が、出場者たちにとって大きなプレッシャーになったこともあったようです。審査員の個性と、それに対応する出場者の反応が番組を盛り上げました。

出場者の中には、桂文福や、後のデーモン閣下、大空テント（後のテント）、好田タクトといった面々もいました。好田タクトは、この番組で優勝し、ビートたけしから芸名を命名されたことで知られています。毎回の最優秀出場者には「三議員タコ賞」として、番組のマスコットであるタコのトロフィーと海外旅行が贈られました。しかし、談志の辛辣な評価によっては、受賞者が出ない回もあったようです。

番組の中盤には、ビートたけし軍団による一芸コーナーが設けられていました。このコーナーは大森うたえもんが進行役を務め、たけし軍団の知名度向上に貢献したと言われています。たけし自身も大森の司会能力を高く評価していたと伝えられています。一芸コーナーでは、たけし軍団のメンバーたちがそれぞれ得意な芸を披露し、笑いを誘いました。

番組は、当初のゴングショー形式に加え、コントコーナーを導入するなど、視聴率向上のためのテコ入れも行われました。エンディングでは、ビートたけしがギター演奏を披露するなど、様々な工夫が凝らされていました。しかし、これらの努力にもかかわらず、番組は9ヶ月で終了しました。

スタッフ陣は、構成に高田文夫、源高志、廣岡豊、景山民夫、音楽に小野寺忠和、演奏にサドンデス・ザ・コンデレーション、振付に柏木みどり、プロデューサーに桂邦彦といった面々が名を連ねています。番組の成功には、これらのスタッフの努力も大きく貢献していたと言えるでしょう。

『たけしのお笑いサドンデス』は、ビートたけしの司会と個性的な審査員、そして将来を期待される若手芸人たちによって彩られた、短命ながらも印象深いお笑い番組でした。番組は短期間で終了しましたが、出演者やスタッフの経歴を振り返る上で、重要な位置を占める番組と言えるでしょう。放送期間こそ短かったものの、出演者やスタッフに多大な影響を与えた番組として、現在でも記憶に残る番組の一つです。

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