ただいまお昼寝中

『ただいまお昼寝中』(Quiet Please!)：昼寝の邪魔をする猫とネズミの騒動

『ただいまお昼寝中』(原題:Quiet Please!)は、1945年12月25日に公開された、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ監督によるトムとジェリーシリーズの短編アニメーション作品です。第18回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞した名作として知られています。劇場公開時は『暴れ小鼠』というタイトルで上映されました。

物語の概要

本作では、飼い犬のスパイクが安らかに昼寝をしようとしますが、トムとジェリーが部屋の中で騒がしい追いかけっこを始め、彼の安眠を妨げます。

ついに我慢の限界に達したスパイクは、トムを捕まえ、「美容と健康のために昼寝をしたいのに、うるさいから眠れない！」と激昂。トムに厳重注意を与え、ソファーに投げ飛ばして再び眠りにつこうとします。

しかし、ジェリーはトムを挑発し、スパイクを起こそうと画策します。トムは必死にジェリーをかわしますが、ジェリーはスパイクに睡眠薬を飲ませるという大胆な行動に出ます。

睡眠薬の効果で眠りこけたスパイクを尻目に、トムはジェリーを思う存分追いかけます。しかし、ジェリーはスパイクを起こすため、なんとスパイクの腹の下にダイナマイトを仕掛けます。

危険を感じたトムはダイナマイトを取り除こうとしますが、その際にスパイクの体を揺らしてしまい、スパイクは目を覚まします。

トムは何事もなかったように逃走しますが、ダイナマイトは爆発し、床が焦げ付きます。スパイクはトムの仕業と判断し、激怒してトムを徹底的に懲らしめます。

最後は、ボロボロになったトムがスパイクの代わりにゆりかごを揺すり、スパイクが安らかに眠りにつくという、皮肉な結末を迎えます。ジェリーは「起こさないで」という札を下げて、スパイクと一緒に昼寝を楽しむ姿が映し出されます。

スタッフ

監督：ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ
製作：フレッド・クインビー（初公開版ではクレジット無し）
共同製作：ウィリアム・ハンナ（クレジット無し）
脚本：ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ（全員クレジット無し）
原画：ケネス・ミューズ、エド・バージ、レイ・パターソン、アーヴン・スペンス、マイケル・ラー（クレジット無し）、バーニー・ポスナー（クレジット無し）
レイアウト：ハービー・アイゼンバーグ（クレジット無し）
背景：ロバート・ジェントル（クレジット無し）
音楽：スコット・ブラッドリー
彩色プロセス：テクニカラー
録音プロセス：ウェスタン・エレクトリック
制作：メトロ・ゴールドウィン・メイヤー・カートゥーン・スタジオ
配給：メトロ・ゴールドウィン・メイヤー

登場キャラクター

トム：スパイクの昼寝を邪魔し、ジェリーと騒動を起こす猫。最後はスパイクにこっぴどく懲らしめられ、スパイクの寝かしつけ役を押し付けられる。
ジェリー：トムと共にスパイクの昼寝を邪魔し、ダイナマイトを使ったいたずらでトムを陥れるネズミ。最後はスパイクと一緒に昼寝を楽しむ。
* スパイク：昼寝を邪魔され、激怒するブルドッグ。最後はトムを懲らしめ、安らかに眠りにつく。

作品の魅力

『ただいまお昼寝中』は、トムとジェリーのコミカルなやり取りと、スパイクの怒りの爆発というコントラストが絶妙に描かれた作品です。テンポの良い展開と、予測不能な結末は、視聴者を飽きさせません。アニメーション技術も高く評価されており、色彩豊かな映像と、キャラクターの表情豊かな動きが魅力です。アカデミー賞受賞作品として、その高い完成度を改めて確認できるでしょう。

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