たつの市立龍野歴史文化資料館

たつの市立龍野歴史文化資料館：たつのの歴史と文化を紐解く旅

たつの市立龍野歴史文化資料館は、兵庫県たつの市に位置する歴史博物館です。1988年10月31日、八重洲ブックセンター創業者である鹿島守之助氏からの寄贈によって開館しました。龍野城址の近くに建つ館舎は、その歴史的環境を反映するかのような城郭風のデザインが特徴です。

館内では、たつの市とその周辺地域である揖保川流域の歴史を、古代から近世までの時代ごとに5つのテーマに分けて展示しています。それぞれのテーマに沿って選りすぐられた資料は、来館者に地域の歴史を深く理解する機会を提供します。

展示テーマ

原始古代の龍野: 門前遺跡から発掘された弥生時代の土器や、西宮山古墳から出土した装飾豊かな壺、長尾タイ山古墳から出土した馬型埴輪、そして三角縁神獣鏡など、古代龍野の豊かな文化を伝える貴重な遺物が展示されています。これらの遺物は、当時の生活や信仰を垣間見れる貴重な資料です。

古代の山陽道: 西宮山古墳と、そこに関連する豪族たちの歴史、奥村廃寺跡から出土した瓦、布勢駅家跡から出土した墨書土器、そして円覚寺の弥勒菩薩像など、古代山陽道の歴史と文化を伝える品々が展示されています。これらの資料は、古代交通路の役割や、地域の交流の様子を物語っています。

中世の筑紫大道: 中世の交通路であった筑紫大道の歴史、小宅神社の山吹山経塚から出土した経筒、そして十二間筋兜など、中世の龍野を彩った資料が展示されています。これらの遺物は、当時の人々の生活や信仰、軍事といった様々な側面を垣間見ることができます。

龍野城主と城下町: 旧龍野藩主である脇坂家の貴重な文書、精巧な茶糸威革包二枚胴具足、関ヶ原合戦を描いた絵巻、そして輪違紋入鞍橋など、龍野城と城下町の繁栄を物語る品々が展示されています。これらの資料を通して、当時の藩政や武士の生活、城下町の賑わいなどを想像することができます。

近世の街道と揖保川: 庶民の生活、地域独特の祭り、そして高瀬舟による水運など、近世の龍野の暮らしを伝える資料が展示されています。太閤検地帳、梛八幡神社の獅子舞、野田焼、そして様々な雛人形など、多様な資料を通して、当時の生活文化が鮮やかに再現されています。

これらの常設展示に加え、年間2回、テーマを変えた特別展も開催されています。常に新しい発見と出会える、魅力的な博物館です。

開館時間と休館日

開館時間は午前9時～午後5時です。休館日は原則として月曜日（祝日の場合は開館）、祝日の翌日、そして特別展開催期間の前後3日間です。

アクセス

姫新線 本竜野駅から徒歩約15分
* 姫新線 本竜野駅から神姫バス「龍野営業所」下車、徒歩約5分


周辺施設

資料館周辺には、龍野公園、聚遠亭、野見宿禰神社、龍野神社、御涼所、白鷺山公園、武家屋敷資料館、霞城館・矢野勘治記念館、うすくち龍野醤油資料館本館・別館など、歴史と文化に触れられる施設が多く存在します。これらの施設と合わせて巡ることで、たつの市の歴史と文化をより深く理解することができます。

たつの市立龍野歴史文化資料館は、日本博物館協会、兵庫県博物館協会、全国歴史民俗系博物館協議会の会員館であり、兵庫県教育委員会登録博物館でもあります。また、ひょうごっ子ココロンカードの対象施設にもなっています。たつの市の直営で、指定管理者制度は採用していません。

平成28年には、豊臣秀吉が脇坂安治に宛てた手紙が発見されるなど、近年でも新たな発見が続く、魅力的な博物館です。たつの市の歴史と文化に関心のある方は、ぜひ訪れてみてください。

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