たらいうどん

たらいうどん：徳島県の郷土料理

たらいうどんは、徳島県阿波市土成町に根付いた伝統的な郷土料理です。この特徴的な料理は、釜揚げされたうどんをたらいに移し、その茹で汁とともに特製のつけ汁につけて食べるスタイルが特徴です。

歴史と起源

たらいうどんの起源は江戸末期に遡ります。宮川内谷川周辺に住んでいたきこりたちが河原で作ったかまどでうどんを茹で、主に川魚からとった出汁のつけ汁で楽しんでいたことが始まりとされています。本来、このたらいうどんには地元で捕れるカワヨシノボリ（じんぞく）の出汁が用いられていました。しかし、近年ではじんぞくの漁獲量が減少しているため、他の出汁が使用されることが多くなっています。

名前の由来

たらいうどんという名称は、1931年に当時の徳島県知事であった土居通次が御所村を訪れた際、うどんが飯盆に盛られて振る舞われたことから始まります。その見た目を見て「たらいのような器に入ったうどんは美味しかった」という感想を述べたことが、今日の名称の由来となっています。この出来事は後に11月7日を「御所のたらいうどんの日」として祝うきっかけとなりました。

恋成たらいうどん

2010年10月16日、徳島活性化コンテストの決勝大会において、学生たちが考案した「恋成たらいうどん」が注目を浴びました。このプロジェクトでは、たらいうどんが恋愛成就に結び付けられ、運命の赤い糸をイメージしたピンクのうどんが1本加えられました。このアイデアは、土成町に所在する愛染明王像を持つ四国霊場第7番札所の十楽寺と結びつけたもので、地域を恋愛スポットとしてPRするための試みでした。また、阿波市のマスコットキャラクター「あわみちゃん」の衣装も、この恋成たらいうどんからインスパイアを受けてデザインされています。

まとめ

たらいうどんは、独特な食べ方と長い歴史を持つ料理として、多くの人々に親しまれてきました。徳島県の豊かな食文化を象徴するこの料理は、ただのうどんにとどまらず、地域の人々のつながりや文化を表す重要な要素ともなっています。ぜひ、訪れた際には本場の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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