ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌

映画「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」

1992年12月19日に公開されたアニメーション映画「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」は、人気のエッセイをもとにした物語です。この映画は、さくらももこによる自身のエッセイ「自分の好きな歌が、実は旧日本軍の戦意高揚歌だった話」を基にしており、その内容を日本のアニメーション特有の柔らかな視点で描いています。「しみじみしましょう」というキャッチコピーが印象的です。映画は、まる子というキャラクターと、彼女が出会う絵描きのお姉さんとの心温まる交流を中心に展開します。

概要

映画は、原作のエッセイを背景にしながら、同時に「めんこい仔馬」という曲をテーマにしたストーリーが進行します。さくらももこはこの映画の脚本も手がけており、音楽とアニメーションの融合を目指していました。彼女はディズニーの『ファンタジア』やビートルズの『イエローサブマリン』などの作品にインスパイアを受けて、特に音楽シーンでの見せ場を重視していたそうです。また、映画に使われたセル画枚数は約6万枚に及び、通常の3万枚をはるかに超える量です。

公開当時、テレビアニメ第1期終了後に上映されたものの、製作はさくらプロダクションが行っており、日本アニメーションは関与していませんでした。このため、スタッフの一部が異なっていますが、制作面では亜細亜堂が協力を行いました。1993年にはVHSとLDが発売されましたが、現在は共に廃盤となっており、映像ソフトの再リリースには長い年月がかかりました。2022年には映画の公開30周年を記念して、ようやくBlu-rayとDVDが発売され、ファンにとって待望の出来事となりました。

あらすじ

物語は、まる子が「わたしの好きな歌」というテーマで図工の時間に絵を描くことから始まります。他のクラスメイトはそれぞれのテーマ曲を決め、描き始める中で、まる子は音楽の時間に学んだ「めんこい仔馬」に基づいたイメージを描くことを思い付きます。そんな中、静岡の町で似顔絵を描くお姉さん、木村しょう子と出会うことになります。彼女が描く幻想的な絵に魅了されたまる子は、頻繁にお姉さんの家を訪れ、水族館にも遊びに行きます。

だが一つの転機が訪れます。まる子は図工の授業のことをしょう子に話し、どのように「めんこい仔馬」を絵で表現すればよいか相談します。しかし、お姉さんが教えた内容は、実はその歌詞が軍馬の悲哀を描いたものであることにまる子は衝撃を受け、感情を込めて新たな絵を描くことにします。この絵は賞を獲得し、お姉さんに知らせようとして彼女の家を訪れたまる子は、しょう子が恋人から北海道に移り住むことを提案されている場面に遭遇します。この会話の中で、まる子は「北海道でも絵は描ける」と励ましながらも、それが別れを意味していることを薄々感じ始めます。

キャスト

この映画では、主要キャラクターをTARAKOなどの人気声優が担当し、魅力的な声でキャラクターを演じています。また嘉賛されるゲストキャストも多く、多彩な演技が映画の雰囲気を一層引き立てます。これまでのテレビシリーズからのファンも楽しめる要素が多数含まれています。

まとめ

「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」は、さくらももこの繊細な感性が活かされ、音楽とアートが融合した作品です。友情や感謝、そして歌の背景にある深いストーリーが、視聴者の心に印象を与え続けています。心温まるストーリーと独特のアニメーションスタイルは、観る者に感動を与え、また多くのファンを生み出しました。

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