めんこい仔馬

めんこい仔馬

「めんこい仔馬」（めんこいこうま）は、1940年（昭和15年）12月にコロムビアレコードから発売された童謡です。発売当初の表記は「めんこい子馬」でした。

解説

作詞はサトウハチロー、作曲は仁木他喜雄が手掛けました。歌唱は二葉あき子と高橋祐子が担当しています。元々は陸軍省選定・東宝映画「馬」の主題歌として制作されましたが、実際には劇中では使用されませんでした。その後、国民歌謡として、1941年（昭和16年）1月17日から松原操の歌唱で放送され、親しみやすい歌詞と軽快なメロディが人気を博し、広く知られるようになりました。

戦後には、戦時色の強い部分が修正され、内容が改変された上で、引き続き多くの人々に親しまれました。スタジオジブリの劇場映画『火垂るの墓』（1988年）や、『ちびまる子ちゃん』の劇場映画『わたしの好きな歌』（1992年）といった作品で使用されたこともあり、現在でもその名を知られています。

『ちびまる子ちゃん』で使用された際には、戦後の歌詞ではなく戦前の歌詞が用いられました。また、作中ではまる子の父であるひろしが、歌詞を薬屋に置き換えた替え歌を歌うシーンも登場しました。

作曲を担当した仁木他喜雄は1958年に亡くなったため、当時の著作権法に基づき、2008年末をもって著作権保護期間が終了しました。一方、作詞者のサトウハチローは1973年に亡くなったため、著作権は2043年末まで有効です。

1990年9月には、仁木他喜雄が少年時代を現在の滝川市東滝川町周辺で過ごしたことにちなみ、東滝川駅の駅前広場に本楽曲の歌詞を刻んだ記念碑「仁木他喜雄顕彰歌碑」が建立されました。碑名部分は森繁久彌、歌詞部分は二葉あき子が揮毫しています。

「めんこい仔馬」は、時代を超えて愛される童謡として、日本の音楽史にその名を刻んでいます。

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