ちょん掛け

ちょん掛け（丁斧掛け・手斧掛けとも表記）は、相撲の決まり手の一つです。自分の右足（または左足）の踵を、相手の右足（または左足）の踵に引っ掛け、後方へ捻り倒すという技です。

語源と類似の技

この技の名前は、木材を加工する道具である手斧（ちょうな）をかける仕草に似ていることに由来すると言われています。「ちょうな掛け」が訛って「ちょん掛け」になったとされています。また、柔道の小内刈とほぼ同じ動きをする技としても知られています。

過去の事例

過去には、この技で勝利した力士も存在します。特に有名なのは、1944年1月場所6日目に、当時36連勝中であった横綱・双葉山に対し、平幕の枩ノ里がこの技を決め、金星を獲得した一番です。これは相撲史に残る大きな番狂わせとして語り継がれています。

近年では、2014年11月場所7日目に常幸龍が照ノ富士に、2012年5月場所5日目に朝赤龍が若の里に、それぞれちょん掛けで勝利しています。十両の取組では、2014年1月場所12日目に天鎧鵬が双大竜に、2013年5月場所2日目に鬼嵐が丹蔵に、この技で白星を挙げています。旭大星は幕下以下に在位していた時代に10回以上ちょん掛けを決めています。

近年の傾向

2014年11月場所の常幸龍－照ノ富士戦以降、関取の取組ではちょん掛けは見られていませんでしたが、幕下以下の取組では、令和に入ってからも年に1～2回程度の頻度で記録されています。そのため、決して廃れた技ではなく、機会があれば今後も関取の土俵で見られる可能性もあります。

ちょん掛けは、高度な技術とタイミングが要求されるため、使いこなすには熟練が必要です。そのため、決まり手としては比較的珍しい部類に入りますが、決まった際には大きなインパクトを与える技といえるでしょう。

その他

相撲の奥深さを感じさせる決まり手の一つであり、今後も土俵を彩る技として注目されます。

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