ちーちゃんは悠久の向こう

ちーちゃんは悠久の向こう

『ちーちゃんは悠久の向こう』は、日日日による日本のライトノベル作品です。第4回新風舎文庫大賞を受賞し、2005年に新風舎から出版されました。その後、2006年には台湾でも翻訳出版され、2008年には実写映画化もされています。新風舎倒産後は絶版となりましたが、2010年に角川文庫から復刊され、再び読者の手に取られるようになりました。

この作品は、著者の別作品である『うそつき 嘘をつくたびに眺めたくなる月』や『ピーターパン・エンドロール』と世界観を共有しており、一部の登場人物が他の作品でも重要な役割を担っています。

あらすじ

物語は、主人公である高校生の「僕」こと久野悠斗（通称：モンちゃん）と、彼の幼馴染である歌島千草（通称：ちーちゃん）を中心に展開されます。モンちゃんは陸上部（映画版では弓道部）に所属しており、幼い頃からちーちゃんにオカルト話を無理やり聞かされていました。その影響で、彼は狭くて暗い場所が苦手です。

一方、ちーちゃんはオカルトが大好きで、クラスでは浮いた存在。しかし、中学時代はモテていたという意外な一面も持っています。彼女は少し茶色に染めた髪を三つ編みにし、毎日駄菓子の匂いのする香水をつけています。一見すると普通に見えますが、その内面には強い信念と優しさが秘められています。

物語には、モンちゃんとちーちゃんのクラスメイトである林田遊子も登場します。彼女はいつもしかめっ面で本を読んでいる、目立たない存在です。過去に自殺未遂を繰り返しており、心に深い傷を抱えています。彼女は物語の中で重要な役割を果たし、物語の展開に大きな影響を与えます。

登場人物

主要人物

僕 / 久野悠斗（ひさの ゆうと）/ モンちゃん：
物語の主人公である高校生。ちーちゃんからは「モンちゃん」と呼ばれています。陸上部で走り幅跳びをしています。幼少期にちーちゃんに押入れに連れ込まれて怪談を聞かされた経験から、狭くて暗い場所が苦手です。家庭環境に問題を抱えており、両親からの虐待を受けていますが、ちーちゃんにはそのことを隠しています。ちーちゃんを、何よりも大切な友人と思っています。
ちーちゃん / 歌島千草（うたじま ちぐさ）：
主人公の隣の部屋に住む幼馴染の女の子。オカルト話が大好きで、幼い頃はよく主人公を押入れに連れ込んで怪談を聞かせていました。クラスメイトが引くほど幽霊やお化けが好きですが、意外にも中学時代はモテていました。薄茶色の髪を三つ編みにし、毎日駄菓子の香水をつけています。主人公が虐待されていることを知っており、何かと気にかけています。オカルト研究会に所属し、学校の七不思議を調べています。
林田 / 林田遊子（はやしだ ゆうこ）:
主人公とちーちゃんのクラスメイト。目立たない大人しい女生徒。いつも本を読んでいる。過去に自殺未遂を繰り返している。物語の中で、重要な役割を果たす。

その他

武藤先輩 / 武藤 白（むとうしろ）：
主人公が所属する陸上部の部長（映画版では弓道部の部長）。美人で陸上の才能があります。
荏田まなみ（えだ まなみ）:
主人公が所属する陸上部の部員。女みたいな名前だが、男子生徒。主人公を陸上部へ誘った。

映画

2008年には実写映画が公開されました。監督は兼重淳、主演は仲里依紗と林遣都が務めました。キャッチフレーズは「死んでも、終わらない恋」。

キャスト

ちぐさ/ちーちゃん（歌島千草） - 仲里依紗、永山菜々（子供時代）
「僕」/モンちゃん（久野悠斗） - 林遣都、飛田光里（子供時代）
弓道部部長（武藤白） - 高橋由真
弓道部員・大島 - 小野まりえ
林田遊子 - 波瑠
横田 - 兼子舜
加藤信二 - 奥村知史
橘 - 植松孝行
モンちゃんの担任（西一洋） - 中山祐一朗
モンちゃんの父（久野武） - 堀部圭亮
モンちゃんの母（久野智子） - 霧島れいか
ちーちゃんの母（歌島実奈子） - 西田尚美

スタッフ

監督 - 兼重淳
脚本 - 山室有紀子・兼重淳
主題歌 - 奥華子 - 「空に光るクローバー」

関連商品

DVD

ちーちゃんは悠久の向こう 〜序章〜（2007年12月21日、デックスエンタテインメント）
ちーちゃんは悠久の向こう（2008年6月4日、ポニーキャニオン）

Blu-ray

* ちーちゃんは悠久の向こう（2019年9月18日、ポニーキャニオン）

まとめ

『ちーちゃんは悠久の向こう』は、幼馴染の男女の繊細な関係性を描いた作品です。日常の中に潜む非日常や、登場人物たちの心の葛藤が丁寧に描かれています。ライトノベルファンだけでなく、青春ドラマや恋愛ものが好きな方にもおすすめの作品です。映画版では、原作の世界観を忠実に再現しつつ、映像ならではの魅力を引き出しています。

もう一度検索