つる枯病

つる枯病について

つる枯病は植物における病害の一つで、特にウリ類やインゲンマメ、エンドウなどの作物に影響を与えることがあります。この病害は、具体的には異なる病原菌やウイルスによって引き起こされ、作物の成長に重大な影響を及ぼすことがあるため、農業において特に注意が必要です。

ウリ類のつる枯病

ウリ類のつる枯病は、ウリ科の植物に特有な病害で、主に Didymella bryoniae（別名: Mycosphaerella melonis）という病原菌が原因となります。この病気はスイカ、キュウリ、メロン、マクワウリ、ユウガオ、トウガンなどのウリ科の植物に見られます。主茎の根元やつるに病気が発生すると、植物全体が枯れてしまうこともあるため、農業者にとって非常に恐ろしい病害とされています。特に、スイカのような作物では生育後期において、葉やつるに黒色または褐色の斑点が現れることから、「黒斑病」とも称されています。また、病変部分からヤニが滲み出る現象も見られます。

インゲンマメのつる枯病

インゲンマメつる枯病は、Clover yellow vein virusというウイルスによって引き起こされる病害で、特にインゲンマメの生育に大きなダメージを与えることがあります。このウイルスに感染した植物では、葉に黄色の vein 模様が現れ、最終的には作物の品質や収穫量が大きく低下してしまいます。このような病気に対しては、効果的な防除対策が求められています。

エンドウつる枯細菌病

エンドウつる枯細菌病は、ウイルスではなく糸状菌の一種によって引き起こされる種子伝染性の細菌病害です。この病害はエンドウに特有で、感染が広がると生育に深刻な影響を与えることがあります。エンドウつる枯細菌病の兆候としては、葉の変色や萎れが見られるため、早期に発見し適切な対策を講じることが重要です。

ブドウペスタロチアつる枯病

また、1953年に島根県安来市で初めて発見された ブドウペスタロチアつる枯病も特筆すべきです。この病害はブドウに影響を及ぼし、果実の品質や収穫量に悪影響を与えます。ブドウを栽培する際には、この病害に対する防除策が不可欠です。

まとめ

つる枯病は農業における重要な病害の一つです。ウリ類やインゲンマメ、エンドウ、ブドウなど幅広い作物に影響を与えるため、適切な農業管理や病害の早期発見が求められます。今後もこれらの病害に関する理解を深め、効果的な対策を講じることが、農業の安定性を保つためには欠かせないと言えます。

出典

• - 大阪府園芸植物病害虫図鑑
• - 北海道原子力環境センター農業研究科
• - 住友化学園芸 病害虫ナビ
• - 北海道農業研究センター 情報解析研究室

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