ウリ科

ウリ科（Cucurbitaceae）

ウリ科は、被子植物に属する科の一つで、つる性の草本が特徴です。学名はCucurbitaceaeと表記されます。

分類

ウリ科の植物の分類は、その類縁関係について長年議論されてきました。新エングラー体系では、ウリ目は独立したグループとして扱われ、クロンキスト体系ではスミレ目に分類されていました。最新のAPG体系では、シュウカイドウ科などを含むウリ目として分類されています。

特徴

ウリ科の植物は、ほとんどがつる性の草本で、巻きひげを持つのが特徴です。多くは熱帯地域に分布しており、人類の歴史上最も古い作物を含むことで知られています。具体的には、キュウリ、スイカ、カボチャ、ズッキーニ、ヒョウタン、ヘチマ、トウガン、テッポウウリ、ユウガオ（かんぴょうの材料）、ツルレイシ（ニガウリ、ゴーヤー）、メロンなど、多くの種が古くから果菜や果物として栽培されてきました。また、ラカンカやキカラスウリなど、果実や塊根を生薬として利用する種も存在します。

ククルビタシン

ウリ科植物に特有の成分として、ククルビタシンというステロイドの一種があります。これはトリテルペンに属し、キュウリ、メロン、スイカなどのヘタに近い部分に含まれる苦味成分です。特にツルレイシ（ニガウリ、ゴーヤー）に多く含まれ、モモルデシチンとともに強烈な苦味の元となっています。

亜科・連・亜連

ウリ科は伝統的に、カボチャ亜科とザノニア亜科の2つの亜科に分けられていました。しかし、この分類は系統的ではないとされ、現在ではより詳細な分類が試みられています。伝統的には8〜9の連に分けられていましたが、近年では系統的な15連に再編されました。

属までの分類

Schaefer & Renner (2011)によると、ウリ科には95属、942〜978種が知られています。以下に、いくつかの連とそれに属する属の例を挙げます。

Triceratieae
Fevillea（フェビレア属）- 8種
Anisosperma - 1種
Cyclantheropsis - 3種
Pteropepon - 5種（Pseudosicydium を含む）
Sicydium - 7種（Chalema を含む）
Zanonieae（ザノニア連）
Gerrardanthus（ゲラルダンサス属）- 3–5種
Zanonia（ザノニア属）- 1種
Siolmatra - 2種
Xerosicyos（クセロシキオス属）- 5種（Zygosicyos を含む）
Actinostemmateae（ゴキヅル連）
Actinostemma（ゴキヅル属）- 3種（Bolbostemma を含む）
Indofevilleeae
Indofevillea - 1種
Thladiantheae（オオスズメウリ連）
Thladiantha（オオスズメウリ属）- 30種
Baijiania - 5種（Sinobaijiania を含む）
Siraitieae（ラカンカ連）
Siraitia（ラカンカ属）- 3–4種（Microlagenaria を含む）
Momordiceae（ツルレイシ連）
Momordica（ツルレイシ属）- 60種
Benincaseae（トウガン連）
Citrullus（スイカ属）- 4種
Lagenaria（ユウガオ属）- 6種
Benincasa（トウガン属）- 2種
Cucumis（キュウリ属）- 65種

主な種

キュウリ
スイカ
カボチャ
ズッキーニ
ヒョウタン
ヘチマ
トウガン
ユウガオ
ツルレイシ（ニガウリ、ゴーヤー）
メロン
ラカンカ
キカラスウリ

その他の情報

ウリ科の植物は、食用としてだけでなく、薬用や観賞用としても利用されています。また、ウリハムシなどの害虫が発生しやすいことでも知られています。

参考文献

Schaefer, H., & Renner, S. S. (2011). Phylogenetic relationships in the order Cucurbitales and a new classification of the gourd family (Cucurbitaceae). Taxon, 60(5), 1229-1238.

外部リンク

* ウリ科（種子等の画像）：フラボン

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