てなもんや一本槍

『てなもんや一本槍』

概要

『てなもんや一本槍』は1968年4月7日から1970年2月22日までの約2年にわたり、TBS系列で放送されたコメディ番組です。この番組は、朝日放送（ABC）の制作により、人気を博した「てなもんや」シリーズの第2弾として登場しました。全99回のエピソードが制作され、毎週日曜日の18時から30分間、カラー放送で視聴者を楽しませました。

この作品は、戦国時代を背景に、天下を目指す男・長吉の冒険を描いています。長吉は足軽として乱世を生き抜き、多彩なキャラクターとの交流を通じて成長していく物語です。この番組は、先行するシリーズ『てなもんや三度笠』の終了後に始まり、同じ主演である藤田まことが続投しました。脚本は香川登志緒が担当し、演出は馬場淑郎が務めたことが新しい制作スタイルを生み出しました。

演出と製作の変更点

『てなもんや一本槍』では、前作とは異なる演出方針が採られました。『てなもんや三度笠』は公開スタジオでの生放送風の収録スタイルでしたが、新番組は完全にスタジオ収録に切り替わり、これにより合成技術を駆使した新しい演出が可能となりました。その結果、同一キャラクターが2人出現するなど、劇中の表現方法が広がりました。企業提供も変更され、藤田まことの冒頭の口上も変わりました。

主なキャスト

この番組では、藤田まことが演じる長吉を中心に、多彩なキャストが揃いました。お美代役は九重佑三子、父役には柳家金語楼、母役には丹下キヨ子が名を連ねています。さらに、歴史上の人物として森蘭丸（ピーター）、武田信玄（長門勇）、明智光秀（芦屋雁之助）等、豪華な面々が登場しました。コント55号やザ・ドリフターズ、ザ・ピーナッツなど、ゲスト出演者も多く、バラエティに富んだ番組内容となっていました。

コミカライズ

この番組は、その人気を受けて、漫画化もされました。つのだじろうによるコミカライズ作品は『週刊少年サンデー』（小学館）で連載され、テレビドラマとは異なる形で物語を楽しむことができました。

まとめ

『てなもんや一本槍』は、戦国時代を舞台にした所作や、ユーモアあふれる展開により、多くの視聴者の心を掴んだ作品です。藤田まことの演技、香川登志緒の脚本、馬場淑郎の演出が見事に融合し、コメディの新しい形を提示しました。公開収録からスタジオ収録に切り替えたことにより新たな表現技法を開拓し、視聴者を魅了したこの番組は、日本のテレビコメディの歴史に名を刻む番組の一つとなっています。

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