とうかさん

とうかさん（稲荷参）について

とうかさんとは、広島市中区三川町に位置する福昌山慈善院圓隆寺の祭りを指します。また、同寺院の守護神である稲荷大明神を称える祭礼でもあります。毎年6月の第1金曜日から3日間にわたって行われるこのお祭りは、地域に根付いた重要な行事とされています。

歴史的背景

圓隆寺は1619年に設立され、新たに招かれた僧侶、慈善院日音上人のもとで開かれました。その際、稲荷大明神も共に勧請され、その神力によって広島城や周辺の人々に安寧をもたらしたと言われています。この寺院とその祭りは、数百年の歴史を有し、広島の文化に深く根付いています。

特に戦時中でもとうかさん大祭は続けられており、1945年に原子爆弾が広島に投下された際には全壊する悲劇を迎えました。しかし1946年には復興され、祭りの神事は途切れることなく続いています。

祭りの行事内容

毎年6月の第1金曜日から始まるとうかさん大祭では、広島の中央通りが歩行者天国になり、多くの露店が立ち並びます。参拝者は3日間で約8万人に達し、周辺の人手は約45万人と非常に多くの人々が集まります。この祭りは広島における夏の到来を告げる重要なイベントとして位置づけられており、地域の人々が浴衣を着る日ともなっています。胡子神社の胡子講や住吉神社の住吉祭とも並び、広島の三大祭りの一つとされています。

祭りの変遷

1954年までは旧暦の端午の節句に行われていましたが、1955年からは新暦に移行され、現在の開催時期である6月の第1金曜日から3日間に定められました。興味深いことに、とうかは「十日」に通じるという誤解が生まれた背景にも、この改訂があります。1961年からは特に決まった日程で開催されるようになり、1998年以降は現在の形に定着しました。

今でも大祭の一環として、家の屋根に菖蒲を置く風習が残っており、これは戦勝祈願としての意味を持っています。さらに、菖蒲湯として菖蒲を入れたお風呂に入る文化も見ることができます。

アクセス情報

圓隆寺の所在地は、広島県広島市中区三川町8-12です。交通アクセスは、JR広島駅から徒歩20分、広島電鉄の八丁堀停留場から南に徒歩5分、アストラムラインの本通駅から徒歩10分が便利です。バス路線も多数あり、八丁堀バス停や新天地バス停からもアクセス可能です。

このように、とうかさんは広島市における重要な文化行事であり、その歴史と地域のつながりを感じることができる貴重な機会です。

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