ときめきメモリアルドラマシリーズ

ときめきメモリアル ドラマシリーズ：青春、恋、そして旅立ちの物語

『ときめきメモリアル ドラマシリーズ』は、コナミデジタルエンタテインメント（旧コナミ）から発売された、PlayStationとセガサターン向け恋愛アドベンチャーゲームの3部作です。人気恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』の外伝として、小島秀夫氏を製作総指揮に迎え、小島プロダクション（旧コナミコンピュータエンタテインメントジャパン小島組）が開発しました。1997年から1999年にかけて、『vol.1 虹色の青春』『vol.2 彩のラブソング』『vol.3 旅立ちの詩』の3作品が順次リリースされ、PlayStation版は後にKONAMI The BEST、PS one Booksとして再発売されました。

ストーリー：高校生活の様々な瞬間

各作品は、きらめき高校を舞台に、主人公（プレイヤー）の高校生活の一場面に焦点を当てています。

vol.1 虹色の青春：高校2年生の春、サッカー部補欠の主人公は、強豪校との対抗戦でレギュラー入りを目指し、マネージャーである虹野沙希や秋穂みのりと共に17日間の特訓に励みます。友情やライバル関係、そして恋愛模様が描かれる青春ストーリーです。

vol.2 彩のラブソング：同年秋、主人公はアマチュアバンド「彩」のギタリストとして、文化祭での演奏に向けて新曲制作に取り組みます。そこで出会った片桐彩子との交流が、彼の音楽への情熱に大きな影響を与えます。オリジナル楽曲の制作過程や、バンドメンバーとの絆、そして片桐彩子との恋が描かれています。

* vol.3 旅立ちの詩：高校卒業間近の2月、主人公は藤崎詩織と共に卒業文集委員を務めます。長年抱いていた詩織への想いを抱えながらも、バレンタインデーに思いを伝えると「幼なじみのままで」と告げられ、主人公は自らの気持ちと向き合うことになります。葛藤や成長、そして大切な友人や恋への思いが、卒業という節目を迎える中で描かれています。

ゲームシステム：コマンド選択とミニゲーム

本作は、小島秀夫氏が手がけた『ポリスノーツ』をベースとしたゲームシステムを採用しています。画面内の任意の場所をカーソルで指し示し、表示されたコマンドを選択することでシナリオを進めていきます。ストーリーの重要な場面ではミニゲームが挿入され、そのクリアによってシナリオが展開していく点が特徴です。マウス操作にも対応しています（vol.2、3は一部ミニゲームを除く）。『ポリスノーツ』と同様に、画面フレームを『ときめきメモリアル』風のものに変更することも可能です。セーブは1日の終わりに行う方式に変更されています。

シリーズの背景：パラレルワールドとヒロイン

『ときめきメモリアル』本編のきらめき高校を舞台に、特定の期間と登場人物に焦点を絞ったストーリー展開となっています。本編とは異なり、主人公像は作品ごとに異なり、各作品で特定のヒロイン（虹野沙希、片桐彩子、藤崎詩織）をクローズアップしている点が特徴です。各作品タイトルは、ヒロインの名前から一文字を取り、小島秀夫氏によって命名されています。

ミニゲームと追加要素：多彩な楽しみ

ゲーム中には、ストーリー進行には直接関係ない様々なミニゲームや追加要素が用意されています。シューティングゲーム「スタークラッシャー」「コンカー」、ギター演奏ゲーム「ギターマニア」、そしてPocketStation対応の「ときめきの時」など、バラエティに富んだミニゲームを楽しむことができます。また、本編のサブイベントをプレイできる「放課後編」、イベントCGを閲覧できる「アルバム」、卒業文集閲覧モードなど、充実したおまけ要素も魅力です。

音楽：個性豊かな楽曲の数々

各作品には、印象的な主題歌、エンディングテーマ、挿入歌が多数収録されています。メインヒロインが歌うエンディングテーマや、キャラクターのイメージソング、そしてゲーム中のミニゲーム用楽曲など、音楽面も大きな魅力となっています。

その他：開発秘話とこだわり

本作には、小島プロダクション（旧KCEJ）制作ならではのこだわりが随所に散りばめられています。『ポリスノーツ』へのオマージュや、小島プロダクション作品への伏線など、ゲームを深く楽しむための要素が多数含まれています。また、当時の新人アイドル、栗林みえの出演などもプロモーションの一環として行われました。

『ときめきメモリアル ドラマシリーズ』は、単なる恋愛アドベンチャーゲームにとどまらず、青春、友情、恋愛、そして成長といった様々なテーマを、個性豊かなキャラクターと魅力的なゲームシステムによって表現した、独特の作品群と言えるでしょう。

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