とくしまマラソン

とくしまマラソン概要

「とくしまマラソン」は、徳島県と徳島市が共同で主催する、四国地方において最大規模を誇る市民参加型のフルマラソン大会です。例年、桜の季節が終わる頃、4月下旬の日曜日に開催されるのが通例ですが、統一地方選挙が実施される特定の年（西暦年を4で割って3余る年）には、選挙日程との重複を避けるため、開催時期が約1ヶ月前倒しされ、3月に実施されます。本大会は、日本国内の優れたランニング大会を集めた「全国ランニング大会百選」にも選ばれており、その人気と高い評価がうかがえます。市民からは親しみを込めて「とくマラ」と呼ばれています。

開催の歴史と背景

記念すべき第一回大会は2008年に開催されました。これは、明石海峡大橋を含む神戸淡路鳴門自動車道の開通10周年を記念する事業の一環として企画されたものです。また、当時の徳島県知事であった飯泉嘉門氏が、選挙公約として「2010年までのフルマラソン大会実現」を掲げており、本大会の実現はこの公約達成という側面も持ち合わせていました。初開催以降、その魅力が広く認められ、翌年以降も継続して開催され、毎年春の恒例イベントとして多くのランナーを惹きつけています。

コースと大会の特徴

フルマラソンのコースは、徳島県庁前の国道55号起点付近をスタート地点とします。ランナーたちは、雄大な一級河川である吉野川を吉野川大橋で渡り、川沿いの美しい景色を眺めながら北上します。阿波市吉野町にある西条大橋で折り返し、再び吉野川沿いを南下して徳島市内に戻り、最終的に徳島市陸上競技場をゴールとする、高低差が比較的少なくフラットな42.195キロメートルの道のりです。完走のための制限時間は7時間に設定されており、初心者からベテランまで多くのランナーが挑戦しやすい設定となっています。大会の公式マスコットは、徳島県の特産品である竹ちくわをモチーフにした可愛らしいキャラクター「ちっかーず」です。なお、スタート地点は大会の規模拡大に伴い、開催当初の徳島中央公園内鷲の門広場から数度の変更を経て、現在は徳島県庁入口付近に定着しています。

参加者募集と定員の変遷

本大会の人気は非常に高く、参加者募集においては常に注目を集めてきました。

* 初期大会（2008年-2010年頃）: 当初見込みの3,000人規模を大きく上回る応募があり、急遽定員が拡大されました（第一回5,000人）。その後も定員は増え続けましたが（第二回4,000人、第三回6,000人→7,000人）、募集開始からわずか1日〜1週間程度で定員に達し、早期に締め切られるという驚異的な人気ぶりでした。特に第三回大会では、システム上の問題により一部応募者との間で混乱が生じる事態も発生しました。

その後も大会の人気は衰えず、規模は拡大を続け、2016年大会以降は定員が15,000名となっています。募集方法も時期によって、先着順や抽選を組み合わせるなど変更がありました。

特定の事象と中止・延期

前述の通り、開催日程は、統一地方選挙の実施年にあたる年は3月に変更されることが定められています。

2011年の第四回大会は、当初3月20日に開催が予定されていましたが、大会直前の3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響を受け、参加者および関係者の安全を考慮し、急遽開催が延期されました。代替開催日は同年11月6日となりました。

また、近年では新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックの影響を大きく受けました。2020年大会、2021年大会、そして2022年大会は、いずれも感染拡大防止の観点からやむなく中止が決定されました。

大会運営と関連情報

「とくしまマラソン」は、多くのボランティアスタッフの尽力や、地元企業、団体からの協力を得て運営されています。過去には大塚グループを特別協賛企業とし、その他多くの企業が協賛に名を連ねました。

大会当日の様子は、県内の主要メディアを通じて広く伝えられます。四国放送テレビや徳島県CATVネットワーク機構の共通チャンネル「けーぶる12」では生中継が実施されるほか、四国放送ラジオでも放送されるなど、県民にとって身近なイベントとして定着しています。

徳島県内でフルマラソンが開催された実績のある大会としては、過去に「徳島・海陽 究極の清流 海部川 風流マラソン」がありましたが、現在県内で最も規模が大きいフルマラソン大会は「とくしまマラソン」です。

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