ともだち (坂本九の曲)

『ともだち』について

『ともだち』は、1965年3月5日に坂本九によってリリースされたシングルです。この曲は、喜劇俳優として名高い森繁久彌と伴淳三郎が立ち上げたチャリティー団体『あゆみの箱』のテーマソングとして公開されました。この団体は、小児麻痺に苦しむ少年・少女たちを支援することを目的として活動しています。

起源と意義

実は、『ともだち』は宮城県仙台市立西多賀小・中学校療養所分校（今の宮城県立西多賀支援学校）のために制作された曲でもあります。1950年代から1960年代にかけて、全国社会福祉協議会の職員が同校を訪れて、病気に立ち向かう子どもたちの姿に感銘を受け、その感動を形にするために楽曲制作を提案しました。

その際、校内で坂本九のファンが多かったこともあり、職員は作詞家の永六輔に相談。永は快く引き受け、作曲はいずみたくが無償で担いました。永は、同校の子どもたちからの文集や手紙を基に歌詞を作成し、『ともだち』を通じて子どもたちの絆や希望を表現しました。

なお、永六輔が作成した歌詞の手稿は、現在も宮城県立西多賀支援学校に保存されています。

発表と反響

『ともだち』は、1965年の3月13日に日本武道館で行われた『第2回 あゆみの箱チャリティーコンサート』で坂本九が初めて披露し、その温かいメッセージが多くの人々の共感を呼びました。この曲は、同年の紅白歌合戦でも坂本によって歌われ、さらに1966年の第38回選抜高等学校野球大会の入場行進曲としても採用されるなど、広く親しまれることとなりました。

収録曲

オリジナル盤には、以下の曲が収録されています。

• - ともだち
• - 行ってみよう

1969年に再発盤もリリースされ、こちらには：

• - ともだち
• - 涙くんさよなら

が含まれています。

カバー

『ともだち』は、多くのアーティストによってカバーされています。1997年に南こうせつが『坂本九トリビュートアルバム』に収録し、2001年にはRe:Japanが『look up to the sky〜明日があるさ〜』に、さらに堂本剛が同年のドラマ『ガッコの先生』で歌唱（音源未発売）しています。2012年にはクミコが『きっとツナガル』に、2018年には金丸淳一が配信限定アルバム『STRANGER IN PARADISE』に収録しました。

このように、『ともだち』は世代を超えて愛され、支援の象徴としてもこれからも多くの人々の心に残り続けるでしょう。

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