とられてたまるか!

『とられてたまるか!』

『とられてたまるか!』は、著者・浅田次郎のデビューエッセイであり、これを原作にした東映のVシネマシリーズにもなっています。本作品では、著者自身の裏社会での生活経験を基にし、極道の世界を描いたユニークな体験談が展開されています。

概要

1990年から1991年にかけて『週刊テーミス』で連載され、1991年には学習研究社から単行本として出版されました。この作品は、浅田次郎が極道小説を書くきっかけとなり、その後の作家活動に大きな影響を与えました。表紙には「殺」や「捕」といった文字がデザインされ、「殺られてたまるか」「捕られてたまるか」とも読める形になっており、作品のテーマを象徴するような印象を与えています。

1994年にはタイトルが改題され、『極道放浪記 殺られてたまるか!』としてベストセラーシリーズに組み込まれました。その後、1995年に続編として『極道放浪記2 相棒（バディ）への鎮魂歌（レクイエム）』も発売されました。この連作は、極道という特異な職業に惹かれる人々にとっての興味深い要素が詰まっており、さまざまな理由で読者の心を掴んでいます。

Vシネマ化

『とられてたまるか!』は、1992年に東映によってVシネマとして映画化され、高橋伴明監督、哀川翔主演で制作されました。続いて1993年には『とられてたまるか!2』、1994年には完結編『とられてたまるか!完』が登場します。この映画シリーズは、原作の持つ雰囲気やキャラクターを忠実に再現し、多くのファンを魅了しました。

あらすじ

ストーリーは、詐欺師のジロー（演：哀川翔）とその兄貴分のジン（演：清水健太郎）の人生を中心に展開します。二人は暴力団の下請けとして小銭を集める日常から脱却し、大金持ちに接近して一発勝負を仕掛けることを決意します。この過程で、彼らが直面する困難や友情が描かれ、緊迫した状況が続きます。

キャスト

主なキャストには、ジロー役の哀川翔の他、ジン役の清水健太郎、浅野愛子、佐野史郎などが登場します。また、白竜や寺田農、山田辰夫、安岡力也といった実力派俳優が脇を固め、作品全体の迫力を引き立てています。

スタッフ

監督は高橋伴明が担当し、脚本は上田武郎（青島武）や高橋伴明が手がけています。また、主題歌も哀川翔が務めており、作品の中での彼の演技や存在感を際立たせています。

関連作品

『とられてたまるか!』の影響は、他のメディアにも及んでおり、原作を基にした漫画作品『極道懺悔録』が1995年から1998年にかけて全8巻で出版されました。1998年には映画化され、監督や脚本、出演者も哀川翔や松岡俊介らが名を連ねています。

このように、『とられてたまるか!』は単なるエッセイに留まらず、日本のエンターテイメントシーンにおいて重要な位置を占めている作品です。

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