とりいかずよし

とりいかずよし - 日本の漫画家

とりいかずよし（1946年11月12日 – 2022年2月9日）は、本名を鳥居一義とする日本の著名な漫画家です。愛知淑徳大学の教授としても活躍した彼は、アニメーションの世界から漫画界に転身し、数多くの魅力的な作品を生み出しました。彼の業績は日本の漫画文化に深い影響を与え、多くのファンに愛されました。

来歴

愛知県額田郡形埜村（現在の岡崎市）で生まれたとりいは、地元の小学校と中学校を卒業後、19歳で映画制作の道に進みました。彼は国映でアニメーターとしてスタートし、後にスタジオ・ゼロに移籍。その後、漫画家赤塚不二夫に師事し、1968年にはフジオ・プロダクションでアシスタントを務めました。この時期に、赤塚氏とともに人気作品のネタ出しに関わっていきます。

『トイレット博士』の成功

1968年、彼は『別冊少年サンデー』でデビュー作『くちなし犬』を発表し、続いて1969年からは『週刊少年ジャンプ』で人情ギャグ漫画『トイレット博士』の連載を開始しました。この作品は瞬く間に人気を集め、単行本は1000万部以上の発行に達します。当初のスカトロジーに特化した表現が受け入れられ、後に「メタクソ団」なるキャラクターの登場により、その人気はさらに拡大。全国各地に支部が設けられるほどでした。

1971年にはフジオ・プロダクションから独立し、1977年には『トイレット博士』が全30巻で完結。この作品は当時の連載作品の中では非常に長期に及ぶもので、『ジャンプ』の歴史に名を刻むこととなりました。

多彩な作品とスタイルの変化

その後、彼は1980年代半ばまで様々なギャグ漫画を手がけていましたが、1980年代後半からはストーリー中心の作品へと転向しました。名古屋市に転居後、彼は漫画だけでなくテレビドラマのシナリオも手掛けるという異色の経歴を持ちます。また、名古屋テレビで放送されたローカル番組『サラリーマン・アワー 平成のオキテ』のオープニングタイトル画も担当しました。

とりいは熱心な中日ドラゴンズのファンであり、その情熱は『月刊ドラゴンズ』に連載された『ドラパパ』に反映されています。また、リズミカルな名古屋弁を多くの作品に取り入れ、そのユニークなスタイルを確立しました。

2000年には愛知淑徳大学の教授に就任し、後に非常勤講師も務めました。教え子の中には成功を収めている漫画家も多く、彼の教育への情熱が伺えます。教え子たちとの関係を大切にし、彼自身も絵を描くことに対する苦労を語りますが、彼は原作に専念する姿勢を貫きました。

晩年と遺産

2022年の2月9日、彼は膵臓がんにより他界しましたが、75年の生涯は多くの作品と影響を遺しました。代表作には『トイレット博士』や『うわさの天海』、さらには『ドラパパ』などがあり、それぞれが彼の漫画家としての名声を築く礎となりました。また、漫画界に残した影響は今でも感じられています。彼の豊かな想像力と独自のスタイルは、後に続く多くの漫画家たちに刺激を与えることでしょう。

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