ないものねだりのI Want You

「ないものねだりのI Want You」：C-C-Bの代表曲とその影響

1986年12月10日、C-C-Bによってリリースされた9枚目のシングル「ないものねだりのI Want You」。この曲は、同グループ最大のヒット曲となり、オリコンチャートで1位を獲得しました。TBS系ドラマ「毎度おさわがせします」の主題歌として起用され、ドラマの人気に後押しされる形で爆発的な人気を博しました。ドラマでは第1話から第9話まで使用され、その後は別の楽曲に交代したものの、この曲によってC-C-Bの知名度は全国区へと広がりました。

さらに、1987年1月16日放送のTBS系ドラマ「パパはニュースキャスター」に、C-C-B本人がゲスト出演。劇中で「ないものねだりのI Want You」を演奏する場面もありましたが、演出上の都合で途中で演奏は中断されました。この出演も、楽曲の知名度向上に貢献したと言えるでしょう。

この楽曲のボーカルは、渡辺英樹、関口誠人、笠浩二の3人が担当。関口誠人が脱退した1987年4月以降は、田口智治が関口パートを引き継ぎました。

「ないものねだりのI Want You」は、歌謡曲にラップを取り入れた先駆的な楽曲として評されることもありますが、実際にはそれ以前にラップを取り入れた楽曲は存在しており、この曲は先駆けというよりも、歌謡曲にラップを取り入れた一例として位置付けるのが適切でしょう。

この楽曲は、多くのアーティストにカバーされています。例えば、香港の歌手アルヴィン・コック（郭小霖）は、1987年のアルバムで広東語詞で「午夜人狼」としてカバー。また、日本の歌手安藤裕子は、トリビュートアルバム『風街であひませう』でこの曲をカバーしています。

興味深いことに、「うる星やつら」の最終話シリーズ『ボーイ・ミーツ・ガール』では、各話のサブタイトルにヒット曲が使用されており、その中の第10話（コミックス34巻収録）のタイトルに「ないものねだりのI Want You」が使われています。これは、この曲が当時いかに大きな影響力を持っていたかを示す一例と言えるでしょう。

「ないものねだりのI Want You」は、C-C-Bの代表曲であり、日本の音楽史においても重要な一曲となりました。ドラマ主題歌としての成功、多くのアーティストによるカバー、そして漫画作品への登場など、様々な側面からその影響力を伺い知ることができ、C-C-Bの音楽性と当時の音楽シーンを知る上で、欠かせない楽曲と言えるでしょう。楽曲の持つキャッチーなメロディーと、当時としては斬新だったラップの導入、そしてドラマとのシナジー効果、これらが複雑に絡み合い、この楽曲を時代を彩る名曲として確固たるものにしました。

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