のっティ

野々市市 コミュニティバス「のっティ」とシャトルバス「のんキー」

「のっティ」は、石川県野々市市で親しまれているコミュニティバスです。住民からの公募で決定した愛称で、バスの車体には「のっティ」という名前の可愛らしいキャラクターが描かれています。このキャラクターは、2010年に野々市市の公式キャラクターに昇格しました。

本記事では、「のっティ」の運行概要、ルート変更の歴史、そして2012年から運行を開始したシャトルバス「のんキー」について詳しく解説します。

運行概要

「のっティ」は2003年 9月1日に運行を開始しました。当初は野々市市文化会館「フォルテ」を中心に北部と南部の2系統で運行していましたが、2004年 12月1日にルート再編を行い、北部、中央、南部の3ルートとなりました。2006年 6月1日には中央ルートから西部ルートが分離し、現在は「フォルテ」と「野々市市役所」を拠点に、北部、西部、中央、南部の4ルートで運行しています。

運行開始以来、利用者は増加の一途をたどり、2007年 4月6日に50万人、2010年 6月22日に100万人、2013年 9月1日には150万人を突破しました。年間乗客数は約20万人に達しています。

運賃はルート内であれば100円均一です。バスの車体には、100円玉を持ったキャラクターが描かれており、赤、黄、緑、青の4色のカラーリングが各ルートで使用されています。現在、予備車を含めて7台のバスが運行しています。

「のっティ」という愛称は、「ののいち」と「コミュニティー」を組み合わせたもので、「乗って、いいバス」という意味も込められています。

ルート変更の歴史

「のっティ」は、運行開始以来、住民のニーズに合わせてルートが何度か変更されています。

2010年 11月1日: 北部ルートの長池踏切経由から御経塚踏切経由への変更、中央ルートの「工業大学東」バス停新設、南部ルートの専用車両復活、西部ルートの小型車両（ミニのっティ）導入などが行われました。
2012年11月: 西部ルートの車両がマイクロバスに変更され、一部経路が変更されました。
2013年10月1日: 北部ルートの始発時間繰り上げ、長池踏切経由への再変更、野々市駅南口への乗り入れ開始、西部ルートの増便と青のっティの登場などが行われました。
2016年4月1日: 南部ルートが南側に変更されました。
2017年 11月1日: 「学びの杜ののいちカレード」開館に伴い、中央・西部ルートの一部停留所が廃止・変更されました。
2019年11月1日: 野々市市西部中央土地区画整理事業により、中央・西部ルートが変更されました。
2021年4月1日: 全ルートの運行間隔が50分間隔に変更され、一部バス停の名称が変更されました。

現行路線

2021年4月1日現在、「のっティ」は以下の4ルートで運行されています。

北部ルート: フォルテ - 押野 - 布水中学校 - 野々市駅北口 - 御園小学校 - フォルテ（一部中央ルートと重複）
中央ルート: フォルテ - カレード - 明倫高校 - 野々市市役所 - 菅原小学校 - 金沢工業大学 - 工大前駅 - フォルテ（一部北部ルート・西部ルートと重複）
西部ルート: 野々市市役所 - 野々市中学校 - カレード - 野々市駅南口 - 野々市市役所（一部中央ルートと重複）
* 南部ルート: 野々市市役所 - 明和特別支援学校 - 県立大学 - 乙丸駅 - 野々市市役所

運行間隔は全ルート50分間隔で、年末年始は間引きダイヤまたは運休となります。

シャトルバス「のんキー」

「のんキー」は、2012年 4月1日から運行を開始したシャトルバスです。名前は「ののいち」とロバの英単語「ドンキー」を組み合わせた造語で、「バスが来るのを心待ちにされるような愛されるバスを目指したい」という意味が込められています。

「のんキー」は、野々市市内で運行していた路線が初めて白山市内でも運行を開始した路線であり、北陸鉄道グループ以外の事業者が初めて路線バスを運行した路線でもあります。一部区間は金沢市を通過しますが、乗降はできません。

車両は「のっティ」と同様に日野・ポンチョを使用しており、車体にはののいちバスの新しいキャラクター「のんキー」が描かれています。運賃は「のっティ」とは異なり、対距離料金制で、初乗り100円から最大300円まで距離に応じて加算されます。

路線

野々市駅南口 - スポーツセンター - フォルテ - 野々市市役所 - 南部公園 - 県立大学 - 末松 - 橋爪新町 - 菜の花 - 翠星高校 - 松任税務署 - 白山市役所 - 公立松任石川中央病院

運行間隔は1日7便で、年末年始は全便運休となります。

ののいちバス株式会社

「のっティ」と「のんキー」を運行しているのは、ののいちバス株式会社です。同社は滋賀交通グループに属しており、石川県内で運行されているバスでありながら北陸鉄道とは関係がない珍しい存在です。