はつしま型掃海艇

はつしま型掃海艇について

はつしま型掃海艇（はつしまがたそうかいてい）は、海上自衛隊が運用する中型掃海艇の艦級です。この艦級は、海自初の自走式機雷処分具を搭載しており、掃海能力の向上を目的に設計されています。1975年から1987年にかけて、合計23隻が建造されました。

来歴

海上自衛隊では、当初の掃海艇では水中処分員に依存した機雷処分が行われていましたが、その危険性を軽減するために自走式機雷処分具の開発が求められるようになりました。この背景を受けて、第4次防衛力整備計画に基づき、はつしま型掃海艇が設計されることとなりました。

設計

はつしま型は、昭和50年度から昭和62年度にかけて建造された艦船で、原型モデル17隻、改1型4隻、改2型2隻が含まれます。これらの艦の設計は、旧型の掃海艇に基づいており、機雷処分具の搭載能力や上部構造物の変更に配慮されています。基準排水量は60トンで、後のモデルではさらに大型化されています。

使用される木材の種類は、艦の構造によって異なり、主にベイマツやタモが使用されています。また、環境保全の観点から、損傷を補うためにガラス繊維強化プラスチック製の煙突が取り入れられています。主機関は当初、三菱製のディーゼルエンジンを搭載していましたが、後に新しいエンジンに交換され、信頼性や整備性の向上が図られました。

装備

はつしま型掃海艇には、多様なセンサーと装備が搭載されており、機雷探知機としてZQS-2が使用されています。この探知機はイギリスの技術を基に開発され、異なる周波数で機雷の探知・確認を行います。また、対水上捜索レーダーには分解能に優れたOPS-9Bが採用されています。

さらに、掃海作業において新たに開発された75式機雷処分具S-4が搭載されており、無人探査機による機雷処分が可能です。また、係維機雷に対しては53式掃海具が使用され、掘り進めていくことで機雷を安全に処理します。磁気機雷に対しても新しい磁気掃海具が導入され、厳格な管理が行われています。

配備と運用

1990年代に入ると、はつしま型掃海艇の除籍が進み、一部はにいじま型掃海管制艇に改装されました。これにより、掃海艇としての役割を終了し、新たな運用方法が模索されています。

登場作品

はつしま型掃海艇は、フィクション作品にも登場しています。例えば、小説『原潜海峡を封鎖せよ』には、掃海艇が特定の任務で出動するシーンが描かれています。

はつしま型掃海艇は、その機能性と運用能力から、海上自衛隊の重要な一翼を担ってきました。水中作業の安全性が向上したことにより、米軍との連携や、さまざまな海洋活動に貢献しています。

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