はましお型測量船 (2代)

はましお型測量船

はましお型測量船（Hamashio-class hydrographic survey vessels）は、日本の海上保安庁に所属し、海洋の測量活動などを行うための特別な設計を施された船です。この船型は公称として20メートル型とされており、その船体には高張力鋼が使用されています。しかし、重量を軽減するため、上部構造物はアルミニウム合金で製造されており、巧みに素材選定が行われています。

デザインの特徴

この測量船の形状は、V型の没水部船型を採用しており、これは船の走行性能や安定性を高めるための工夫がなされています。また、復原性の向上を図るため、甲板室の高さを抑えた設計変更が加えられています。これにより、悪天候でも安定した操作が可能となります。特に、平成10年度以降に建造された後期船は、総トン数が30トンに増加しており、その進化が見て取れます。

動力システム

はましお型の主機関はCODOD（コディティール・ドライブ）方式が採用されています。この方式では、両舷に設置された450馬力の大主機と、中央に配置された115馬力の小主機が特徴です。通常運行時は小主機を停止させておき、測量作業の際には小主機を動かし、両舷の軸を固定することで、効率的に作業を行います。大主機では最大15ノット、小主機では5ノットの速度が出せるため、ニーズに応じた柔軟な運用が可能です。しかし、その後の後期建造船では、より伝統的な2基2軸方式に変更されています。

装備と機能

はましお型測量船には多様な観測機器が装備されています。代表的なものには、デルノーテ社製の精密電波測位機であるトライスポンダー542、千本電機社製の音響掃海機PDR601、水深自動集録処理装置のDHS905、さらには超音波流速計と自記式流向流速計、採泥器などがあります。特に、音響掃海機と超音波流速計の送受波器は船底に、電波測位機の主局アンテナはマストに固定されており、この設計により、測量作業を行う際の艤装作業の手間が大幅に軽減され、作業効率も向上しました。

後期に建造された船には、米レソン社製のSEABAT-8101マルチビーム音響測深機が搭載されています。この装置は240キロヘルツの周波数を使用し、最大450メートルの水深を測定することが可能です。さらに、測量用デファレンシャルGPS（DGPS）と、データ収録処理のためのソフトウェアがインストールされたデスクトップパソコンが搭載され、大規模な測量業務を支える体制が整えられています。

同型船

はましお型測量船は、同型船として他の船も存在します。これらの船は、特定の任務に従事しながら、海上保安庁の活動を支えています。この型の測量船は、特に日本の海洋において非常に重要な役割を果たしています。

登場作品

はましお型艇は、映画『LIMIT OF LOVE 海猿』に登場しています。この作品では、いそしおが鹿児島港沖で発生したカーフェリーの座礁事故に対処するため、現場に急行し救助活動を行う様子が描かれています。現実の運用における測量船の役割がエンターテインメントの中でも表現されている興味深い一例です。

このように、はましお型測量船は進化した設計と最新の装備を持ち合わせており、日本の海洋測量や安全に寄与している重要な存在です。

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