ひとりで生きてゆければ

オフコース - ひとりで生きてゆければ / あいつの残したものは

「ひとりで生きてゆければ / あいつの残したものは」は、1976年5月5日にリリースされたオフコース（当時の表記はオフ・コース）の8枚目のシングルです。

解説

「ひとりで生きてゆければ」はアルバム『SONG IS LOVE』にも収録されています。この曲は後に小田和正がシングル「遠い海辺」のカップリングでセルフカバーしていますが、歌詞が一部変更されています。ベスト・アルバム『自己ベスト-2』に収録される際、歌詞はオリジナルに戻されました。

このシングルで特筆すべきは、プロデューサー武藤敏史の紹介により、元ザ・ジャネットの大間ジローが初めてレコーディングに参加し、その後オフコースに正式加入したことです。武藤は、解散したザ・ジャネットのメンバー、特に大間と松尾一彦の才能を高く評価しており、彼らが再び音楽活動ができるように尽力していました。

大間は当時、昼夜掛け持ちでアルバイトをしていましたが、武藤に誘われレコーディングに参加することになります。当初、自身の演奏スタイルに不安を感じていた大間に対し、武藤は「とにかくスティックだけ持って、来い」と励ましました。そしてレコーディング当日、大間は小田と鈴木にアドバイスを受けながら、「あいつの残したものは」と「ひとりで生きてゆければ」の2曲をレコーディングしました。

武藤はこの曲について、「『歌を捧げて』や『老人のつぶやき』のような静かな曲の系統に近いが、その中に新鮮なビートもあり、彼らの多様な音楽的な側面のうち、“静”の傾向の曲を代表するもの」と語っています。また、大間の加入はオフコースにとって大きな転換期であり、レコーディングに際して常に感じていた「音楽を創造する人間としては、普段から人間的な面での付き合いもあるミュージシャンが必要」という思いを実現するものだったと当時を振り返っています。

「あいつの残したものは」は、「ひとりで生きてゆければ」と同じセッションでレコーディングされましたが、このシングルでのみ聴くことができます。歌詞は、アルバム『ワインの匂い』収録曲「あれから君は」の後日談のような内容となっています。

パッケージ、アートワーク

ジャケット裏面には両曲の歌詞と「ひとりで生きてゆければ」の楽譜が掲載されています。また、現在非喫煙者の小田がタバコを手にしている写真が印象的です。

収録曲

SIDE A
ひとりで生きてゆければ
作詞・作曲：小田和正、編曲：オフ・コース、歌：オフ・コース

SIDE B
あいつの残したものは

レコーディング・メンバー

ひとりで生きてゆければ
KAZUMASA ODA – Lead Vocal, Chorus, Electric Piano, Hammond Organ, Hooring
YASUHIRO SUZUKI – Vocal, Chorus, Gut Guitar, Harmonica, Mokugyo
HIROSHI SHIGEMI – Electric Bass
JIRO OMA – Drums, Triangle

スタッフ

* プロデュース：武藤敏史、小田和正、鈴木康博

まとめ

「ひとりで生きてゆければ / あいつの残したものは」は、オフコースの音楽性における多様な側面と、メンバー間の人間関係、そして新たな才能の加入が融合した作品です。このシングルは、彼らの音楽史における重要なエポックとして、今もなお多くのファンに愛され続けています。

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